渡辺 勝弘、園田 道夫、有限会社タプレ

 「言った」「言わない」という水掛け論がありますが、オークションでは、支払方法に現金書留を使うと「お金が入っていない」「お金を入れた」をいう水掛け論が起こることがあります。少額な場合が多く、出品者の気が弱いと落札者に押されてあきらめてしまうようです。

 城島さん(仮名)は、置物や音楽CDなど比較的金額の低い小物を出品することがよくあります。今回は、ある置物を出品したところ、2000円で落札されました。さっそく落札者にコンタクトを取ったところ、支払方法を現金書留にしたいと言われました。なんの疑いもなく城島さんは、品物を送付し、現金書留が送られてくるのを待ちました。

 数日後、現金書留が届き中身を確認すると、送料にあたる580円分の小銭しか入っていませんでした。落札者の間違いだと思い、落札額の2000円が入っていないとメールで伝えると、「確かに入れました!」と強い口調の文章で返事が来ました。そこで郵便局に問い合わせをしたところ、郵便局が調査をしてくれることになりました。

 郵便局の人が落札者のところに調べに行った後、落札者から「入れ忘れました」とのメールが送られてきました。どうやら、過去にも同様の手口で「絶対に入れた」と言い張り、少額のため出品者があきらめたことに味をしめて繰り返しているようです。なかには、お札ではなく新聞紙を入れてお金を入れたと言い張る人もいます。自分で入金額を確認できない方法は避けるほうがいいでしょう。

  少額でも現金書留は避ける

イラスト:きよすけ、笹野 喜嗣