渡辺 勝弘、園田 道夫、有限会社タプレ

 せっかく安く落札できても送料が高くては喜びも半減してしまいます。このため、送料が安くなる「定型外普通郵便」を指定して使う落札者がいます。ただ、普通郵便は届かないなどの事故が起こっても補償がありません。これを悪用し、郵便事故を装って品物を送らない出品者がいます。

 小物をよく落札する遠藤さん(仮名)は、送料を節約するため、出品者に定型外普通郵便での送付をお願いしています。今回、腕時計を落札できたので、いつものように定型外普通郵便で依頼しました。

 ところが、送料込みのお金を振り込んだのに品物が届きません。メールで問い合わせると「指定された通り、定型外普通郵便で送りました」との返事がきました。数日待ってみましたが、まだ届きません。もう一度、出品者に確認したところ「郵便事故かもしれません。普通郵便だと補償がないのであきらめてもらうしかありませんね」との返事が。出品者が発送した郵便局、自宅の最寄の郵便局の両方を調べてもらいましたが見つかりませんでした。そもそも普通郵便は、履歴が残らないため見つけるのは難しいのです。結局、遠藤さんはあきらめることにしました。

 数日後、落札した時計が出品されていました。複数持っているものを出品しているそうなので、自分が落札したものかどうかはわかりません。

 こんなことにならないよう、出品者の評価で「品物が届かなかった」といったコメントがあるかどうかを確認しておきましょう。もしあったら、他の方法で送付してもらうことです。

  物が届いていない過去があるか確認

イラスト:きよすけ、笹野 喜嗣