高速に読み書きできて、大容量。容量当たりの単価もずばぬけて安い。ハードディスクは、いいところばかりに見えるが、実は案外もろい記録メディアだ。

 ハードディスクに異常が起きて、データを読み出せなくなる原因は、大きく分けて2つある。OSなどのソフトウエアに原因がある場合と、ハードウエアに原因がある場合(図1)。ソフトウエアが原因の場合は、あまり大きな問題にはならない。ファイル復旧ソフトなどを使えば、ファイルを読み出せることが少なくないからだ。

【復旧できないハードウエア故障が深刻】
図1 ハードディスクからデータが読めなくなる原因には、OSやファイルシステムなどのソフトウエアによるものと、ハードウエアそのものが壊れるものの2種類がある。復旧の手立てがないハードウエア故障のほうがはるかに深刻だ
図1 ハードディスクからデータが読めなくなる原因には、OSやファイルシステムなどのソフトウエアによるものと、ハードウエアそのものが壊れるものの2種類がある。復旧の手立てがないハードウエア故障のほうがはるかに深刻だ
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 ところが、ハードディスクそのものが故障した場合は深刻だ。こうなったら、データを救い出すのは、自力では無理。ハードディスクの寿命が尽きたと覚悟しよう。

 故障の前には、前兆があることも少なくない。特に、普段とは明らかに違う音がするときは要注意。故障寸前と考えて、大事なデータをバックアップしよう。

 前兆を無視していると、ある日、Windowsが起動しなくなったり、起動してもすぐにディスクのエラーチェックが始まり、いつまでたっても終わらないといった状態になる。ここまで来ると、バックアップもままならない。