記録したデータは永久に残る─。DVD-Rにはそんなイメージがあるが、それは1種の幻想だ。DVD-Rにも寿命はある。たとえ、高品質なメディアを購入して正しい方法で書き込んでも、保管状態が悪ければ短命に終わる。30年持つはずが、わずか数カ月で読めなくなることもザラ。そうならないよう、保管方法には十分気を付けたい。

 DVD-Rの寿命を脅かす大敵は「太陽光」「温度」「湿度」の3つだ(図1)。例えば、太陽光が当たる場所に長期間放置すると、メディアの記録層の色素が変質して読めなくなる。また、高温の環境下に置くのも危険。メディアそのものに歪みが生じ、正しくデータを読み出せなくなる。さらに、湿度が高い状態にも要注意。メディア内部にある金属の腐食を招く恐れがあるからだ。温度や湿度のせいで、太陽光による色素の変化がいっそう早く進んでしまうという弊害もある。

【DVD-Rの寿命を縮めるのは「太陽光」「温度」「湿度」】
図1 DVD-Rは、データの長期保存に向き、30年持つといわれている。ところが、太陽光や温度、湿度の影響を受けて、データを取り出せなくなることがある。適切に保管しておかないと、大事に保存していたはずのデータを失う危険性が高くなる
図1 DVD-Rは、データの長期保存に向き、30年持つといわれている。ところが、太陽光や温度、湿度の影響を受けて、データを取り出せなくなることがある。適切に保管しておかないと、大事に保存していたはずのデータを失う危険性が高くなる
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