ビジネスの現場でも、ネット上の画像や統計データを活用したくなる。ただ、うっかり著作権を侵害すると個人の責任だけでは済まない。正しい利用法を覚えて自分の身を守ろう。


※本特集は、西村あさひ法律事務所の岩瀬ひとみ弁護士、山口勝之弁護士に監修をお願いしました。

ネット上の画像を使ってプレゼン資料を作りたい。

 インターネット上には、多数の画像データが存在する。これらの画像をコピーして、プレゼン資料を作ってもよいだろうか。

 ネット上の画像にも著作権がある。プレゼン資料のために権利者の許可なく画像をコピーする行為は、私的使用の複製とは認められない。

 画像に人物が写っている場合は、著作権のほかに被写体の肖像権やパブリシティ権にも注意が必要になる。肖像権は本人の承諾なしに写真を撮られたり、写真を公表されたりすることを禁止する権利だ。パブリシティ権は肖像自体に経済的価値がある有名人が被写体の場合、問題になってくる。

 Googleの画像検索では、検索オプションに「使用権」という項目が加わり、再利用可能な画像などを検索できるようになった(図21)。ただ、この機能は画像に付いたタグ情報を見ているだけなので、実際にはライセンス情報を確認する必要がある。

●ネット上には大量の画像がある
図21 検索サイトの画像検索機能を使うと、ネット上に掲載されている大量の画像を探せる。Googleは検索オプションで再利用可能など、画像の使用権に応じて検索できる機能を加えた
図21 検索サイトの画像検索機能を使うと、ネット上に掲載されている大量の画像を探せる。Googleは検索オプションで再利用可能など、画像の使用権に応じて検索できる機能を加えた
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