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USBメモリーは10年もつか

なぜ消えるのか、劣化するのか

フラッシュメモリーの技術をひも解く

中村 稔=日経パソコン 2009/11/19 日経パソコン
出典:日経パソコン 2009年7月27日号
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
目次一覧

 そもそもフラッシュメモリーのセルにはなぜ寿命があるのだろうか。本章では技術的な背景をもう少し深く掘り下げて、寿命が生ずる原因を解き明かしていく。

 フラッシュメモリーを構成するセルを横からの断面図で見ると、シリコン基板上に絶縁体の浮遊ゲートが重なっている(図13)。シリコン基板上には電子が流れるソース領域とドレイン領域があり、浮遊ゲートの上に設けた制御ゲートによって、電子の流れをコントロールする。

【浮遊ゲートに電子を出し入れして記録する】
図13 フラッシュメモリーの最小単位であるセルの断面図。ソースとドレインの間に電気の流れを作り、制御ゲートあるいは基板から高電圧をかけることで電子を引き込んだり、放出したりする。一般に、浮遊ゲートに電子がある状態を「0」、電子がない状態を「1」と表現する。電子が絶縁体を通るのは量子力学のトンネル効果のため
[画像のクリックで拡大表示]

 データを読み書きする流れは次の通りだ。書き込み時は制御ゲートに高め(20V程度)の電圧を与える。するとソース領域とドレイン領域の電極間を流れる電子が、絶縁体であるシリコン酸化膜でできた浮遊ゲートの内部に引き寄せられる。通常は、浮遊ゲートに電子を格納した状態を2進数の「0」とみなす。情報消去時はシリコン基板側から高めの電圧をかける。すると電子が放出されるので、この状態を「1」とみなす。このように浮遊ゲート内に電子を出し入れすることでビット情報を保存するのが、フラッシュメモリーの基本原理である。

 保存したビット情報を読み出す際は、制御ゲートに低めの電圧(5V程度)をかける。もし浮遊ゲート内に電子があれば電流が多くなり、電子がなければ電流が少なくなる。この違いを検知するのだ。

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