またご無沙汰してしまいました。実は遠い旅に出ていてなんていう見え透いた言い訳は止めておきましょう(笑)。
 間が空いたので心機一転ではありませんが、旧(ふる)きを知るというような意味で、今回はWindows Updateの話をしてみようと思います。

 おそらくこのコラムをお読みいただいている方々にとって、Windows Updateは「何を今更」なネタでしょう。実際、私自身、あんなに簡単にOSのアップデートができてしまうことは、いまだに信じられない気持ちがあったりします。昔語りで恐縮ですが、以前はOSのアップデートってのはかなり大変で、試行錯誤の連続で、最後には元に戻さなければならなくなる、なんてこともしょっちゅうでした。それが、クオリティや利便性が向上してきたおかげで、スイッチポン的な手軽さにまでなってきているわけですから、もうここまでできれば御の字というか、アップデートしない人がいるはずがない、とまで思っていました。

 しかし、どうやらWindows Updateは、わたしが感じているよりもはるかに普及・浸透していないようなのです。

 2006年にIPA(情報処理推進機構)が行った意識調査によれば、Windows Updateをやっていない人が「わからない」という回答を含めて24%もいるのです。2006年以降、いつかのワーム騒ぎのときのように急激に認知度が上がったということはありませんので、この数字はおそらくそれほど変わってはいないでしょう。ちなみに2005年度の調査では21%でしたので、利用者が増えて初心者も増え、結果としてWindows Updateをそもそも知らない人が増えているということなのでしょうか。
 また、このアンケートは5000のサンプル数を集めた調査でしたが、Webページでのアンケート調査だったので、回答してくださった方々は「そもそもこういう情報に到達できた人たち」ということでもあるわけです。ある程度リテラシーがあると思われる人々ですら、それだけ知らない人がいる、そう考えると、少なからぬ人たちがいまだに、Windows Update? 何それ? という状況であると見るべきでしょう。

 それほどWindows Updateが役立てられていないことに驚くばかりですが、ここでちょっと逆転の発想というヤツで、「Windows Updateって、本当に必須と言えるほど重要なのか?」という視点から再考してみましょう。