応募総数約1万件と、過去最大の規模になった今回のエクセル・コンテスト。見事大賞に輝いたのは、千葉県浦安市在住の辻 弘行さん。5年前の転職を期に、エクセルを本格的に使い始め、3年前からコンテストへの挑戦を始めました。「一途にわかりやすさを追求した」という真摯(しんし)な姿勢が、無欲の勝利を呼び込みました。

■受賞の第一報を受けたときの感想は?

 正直、驚いています。今回、大賞を頂いた作品は、特に難しいテクニックを使ったわけではありません。ひたすら、わかりやすさを追求しただけです。こんなシンプルな作品で大賞を頂けるとは、思いもよりませんでした。

■今回が3回目の応募だったそうですが、これまでと戦法を変えたところはありますか。

 戦法を変えたというより、考え方を変えました。昨年までは、珍しい関数を使ったり、長い関数式を用いて一発で答えを導くことが快感でした。我ながら「すごい作品だ」と思ったし自信もあった。でも結果は落選。なぜだろうと思って、過去の受賞者のシートをつぶさに研究したのです。

 驚きましたね。自分の作品とはまったくレベルが違う。テクニックも凄いけど、使う人への配慮がよく行き届いている。作成者の親切心がこちらにも伝わってくるんです。これで、私の意識はガラリと変わりました。それ以降、職場でエクセルを使うときも、それまでと違うアプローチを取るようになったのです。