松浦晋也「人と技術と情報の界面を探る」
目次
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緊急!東京都が児童ポルノ規制の美名の下、思想統制への道を開こうとしている
前回に引き続き、著作権について書く予定だったが、前回掲載以降、東京都で恐るべき事態が進行している事実が急浮上した。今回は、そのこと――「非実在青年」都条例案――について書くことにする。
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電子書籍についての考察(その4) 著作権期間延長の問題点
前回のコラム掲載から2週間の間に、電子ブックの世界ではいくつか大きな変化があった。まず、前回取り上げたボイジャーが、米非営利団体Internet Archiveの進めるBookServer構想に参加した。Internet Archiveは人類が生み出した文章、音声、画像、動画像などすべての情報をデジ…
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電子書籍についての考察(その3)ボイジャーと青空文庫――理想を追い続けるということ
書籍とは何か。物体として見るならば定型の紙を束としてまとめたものであり、表面には文章が印刷してあるものだ。では電子書籍とは何か――それは文章、すなわち電子的な表現形態はテキストでありテキストファイルである。この考え方に立って、1990年代前半から、一貫して電子環境においてテキストをどのようにして扱う…
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電子書籍についての考察(その2)公正さの感覚――無形のデータを販売するために
1月27日、アップルの新端末「iPad」が発表された。iPhone OSで動くことといい、9.7型のディスプレイを備えることといい、上位モデルが携帯電話網を使った通信機能を備えることといい、ほぼ事前に流通していた予想通りのスペックだ。
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電子書籍についての考察(その1)10年前の電子書籍コンソーシアム実験を振り返る
どうやら、やっとやって来そうだ――電子ブックである。アマゾンのKindleが日本でも買えるようになったし、この春にアップルがタブレット型の新デバイスを出すといううわさはすでに確定事項に近いものとなっている。過去10年間、電子ブックは「ブームが来る、来る」と言われて結局今日まで狼少年でしかなかった。し…
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激減した国内のワクチン製造能力
前回の最後に、「新型インフルエンザを巡る問題には、ホメオパシーどころではない深刻なものもある。」と引いた。それは、ワクチン供給を巡る問題だ。
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信じてはいけないホメオパシー
新型インフルエンザに対抗するには、社会全体で正しい対策を実施することが必要になる。しかし、ここに来て、主に欧州において行われてきた、“おまじない”的療法が、「新型インフルエンザにも効く」というふれこみで、日本に入り込みつつある。
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新型インフルエンザと確率・統計(その2)
前回、新型インフルエンザの危険性を見積もるには統計の考えを使えばいいという話を書いた。では、この冬を新型インフルエンザにかからないで過ごすにはどうしたらいいだろうか――そこで役立つのが確率の考え方である。
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新型インフルエンザと確率・統計(その1)
新型インフルエンザが徐々に拡がりつつある。季節性のインフルエンザがいつもならばなりを潜める8月だというのに、インフルエンザ患者は減らず、かえって増えている。世界全体での死者数は3000人を超え、日本でも9月13日現在、死者数は12人となっている。私は今回の新型インフルエンザを、過剰に恐れることはない…
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情報強者と弱者を分ける? たったの1クリック
私は松浦晋也のL/Dというブログを運営している。アクセスは多いときもあり少ないときもあり、日々アクセス数に一喜一憂しているわけだが、ある時気が付いた。同じ話題を扱ったり、過去記事の続きを書いたりした場合に、時として最新記事の中に自分の書いた過去の記事へのリンクを挿入することがある。この場合は何人の読…
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独断で語る賢い自転車の買い方
半年ばかり続いた自転車に関する考察の最後は、「どのようにして自転車を買うか」だ。自転車屋に行けば、多種多様な車種が並んでいる。格好で決めるか、値段で決めるか、ブランドで決めるか。ここでは私流の、「誰でもきちんとした、不満のない自転車を買える方法」をまとめよう。あくまで私こと松浦流なので、独断も偏見…
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自転車に“正しく”乗るためには
今年の2月に、「格安自転車を使うことで失われる3つの感覚」で格安自転車の問題を取り上げてから、ほぼ半年にわたって自転車と、その先に来るであろう“自転車2.0”について、書いてきた。今回は、「今すぐに、自分にできること」を考えてみたい。自転車は優れた乗り物だが、社会的な地位は歩行者や自動車のようにきち…
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新しい乗り物を社会の側で待ち受ける
前回までに、電動モーター+電池+制御技術の技術の進歩が、これまでとは全く異なる乗り物“自転車 2.0”の出現を促していることを指摘した。では、“自転車2.0”が便利な道具として社会に定着するために何よりも必要なものはなにか。それは、路上で、“自転車2.0”が安全に使える環境、すなわち自転車走行レーン…
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“自転車2.0”はどんなものになるのか(その2)
前回、「電動モーター+電池+制御技術」の三位一体の技術の進歩を電動アシストという形で人力と組み合わせると“自転車2.0”と呼ぶべき新しい乗り物が可能になることを説明した。それは、様々な形状を取るだろうと、私は予想している。なぜならば、電動モーターは、燃料を使うエンジンに比べて振動が小さく、制御が簡単…
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“自転車2.0”はどんなものになるのか(その1)
前回、「電動モーター+電池+制御技術」の三位一体の技術の進歩で、全く新しい乗り物でが色々と出てくるだろうと述べた。その上で、私はそのかなりの部分が“自転車2.0”とでも言うべきものになるのではないかと予想していると書いた。今回からはその理由を説明していこう。
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全く新しい乗り物の出現
ここ数回、自転車をキーワードに道路を巡る問題を見てきた。その過程で私は「真に自転車が走りやすい自転車専用レーンを作っていこう」と主張してきた。
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自動車社会を支えてきた社会投資
前々回、前回と、自転車専用レーンを作るとするならば、どのようなものが良いのかを考察してきた。その結果、自転車専用レーンを作ることにより、自動車が現在、法律の規定と実際の執行状況との狭間で享受している利便性が幾分制限されることになることが明らかになった。具体的には、道ばたでのちょっとした駐車が、自転車…
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理想の自転車走行レーンとは その2
前回の続き、自転車専用レーンの構造として、路面ペイントのみでレーンを示す視覚的分離と、ガードレールや縁石なので物理的にレーンを車道や歩道から分離する構造分離の問題を考えていて、気が付いてしまったとんでもない問題点という話です。
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理想の自転車走行レーンとは その1
昨年の道路交通法改正で、あらためて自転車は基本的に車道を走行するという原則を徹底することになった。このために自転車走行レーンが整備されるようになったが、その出来が「とりあえず作っただけ」「誰の利便のためなのか分からない」「そもそも自転車が走りづらい」「かえって事故を誘発しかねない」というダメなもので…
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警察もまた、自転車と歩行者を混同しているらしい
前々回、1万円そこそこの格安自転車が、私たちの「自転車という道具はこういうものだ」という相場観を大きく狂わせていることを指摘した。前回はそれを受けて、1978年の道路交通法改正によって「格安自転車でも十分」という道路環境が作られたことを説明した。
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