松浦晋也「人と技術と情報の界面を探る」
目次
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無線放送を超えてネット進出を狙うNHK
日本放送協会(NHK)という放送局に、他の民放とは一線を画した、なにか「特別の放送局」という印象を持っている方は多いと思う。実際、NHKは受信料という視聴者からの収入で経営している、ビジネスを行う一般企業とは異なる仕組みで動いている。しかし、何を根拠にNHKは受信料を徴収しているかまで知っている人は…
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続・アナログ放送終了から古い体制のきしむ音がする――前回の疑問に答える
7月24日、ついにアナログ放送が終了した。総務省の地デジコールセンターには24日の1日だけで12万4000件の相談が集まったというが、これはその程度で済んだということだろう。
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アナログ放送終了から古い体制のきしむ音がする
さあ、もうすぐだ。2011年7月24日をもって、これまで半世紀以上慣れ親しんできたアナログテレビ放送が終了する。さらばアナログ、こんにちはデジタル、と、皆さんご家庭のテレビの準備はできているだろうか……と言いつつ、ネットでは2年前、こんな歌がはやった。
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サマータイム制に見る古い日本の非合理性
福島第一原子力発電所の事故を受ける形で、7月1日より電力使用制限令が発動した。契約電力500kW以上の大口需要家に対する強制力を持つ命令で、昨年比マイナス15%の節電を要求するものである。この電力使用制限令、電気事業法第二十七条に基づく政令、つまり大臣が出す強制力を持つ命令である。
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大震災、復旧ではなく復興を(その3) 個人の独立性強化で災害に備え、同時に日本社会を変革する
また少し間が空いてしまった。ともあれ話を続けることにする。震災からの復興に向けて各個人ができることをできるところから始めようという話題だ。
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大震災、復旧ではなく復興を(その2) 国など置いて未来に進んでみよう
前回に引き続き、東日本大震災を直接被災しなかった方々に向けて、以下の文章を書いていく。東日本大震災からほぼ1カ月がたった。被災地の復興に向けての足取りは、1995年の阪神・淡路大震災の時に比べて明らかに遅い。あまりに巨大な広域災害だったので、なかなか復興への動きが目に見えて加速しないのだ。
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大震災、復旧ではなく復興を(その1) 情報リテラシーとだだ漏れ社会
しばらく、単行本執筆などで忙しく、この連載を休ませてもらっていたら大変な事態になった。3月11日の東日本大震災だ。この原稿を書いている3月23日現在、死者・行方不明者は2万5000人を超えた。犠牲者1人の向こうには、それぞれ複数の家族・親族の慟哭があることを思うと、絶句してしまう。また、生命は助か…
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東京都、いまだ思想統制への道をあきらめず、児童ポルノ規制条例の新案提出
「またか」と、うんざりするような話が飛び込んできた。今年3月、「緊急!東京都が児童ポルノ規制の美名の下、思想統制への道を開こうとしている」で、東京都が、青少年保護の美名の下に、権力が市民を恣意的に支配する根拠を与える条例案を都議会に提出しているという話を書いた。この条例案「東京都青少年の健全な育成に…
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電子書籍についての考察(その12) 今後1年の展開を考察する
色々と割り込みが入りつつ、この春から電子書籍について色々な考察をしてきた。今回は締めくくりとして、これから1年の間に電子書籍の世界がどうなっていくかを、独断と偏見を含めて考察してみよう。1年後にこの連載が続いているならば、そこで実際どうなったかを確かめ、自分の慧眼を誇るか、それとも暗愚さを悔いるか、…
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電子書籍についての考察(その11) 公立図書館の役割はどう変わるか(下)
前回、公立図書館が様々な矛盾を抱えていることを説明した。その根本にあるのは、地方自治体の、図書館を知の集積地としてではなく「タダで本を読む機会を地域住民に提供する住民サービス」と考える姿勢だった。そこに電子書籍がやってくると、どうなるのか。
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電子書籍についての考察(その10) 公立図書館の役割はどう変わるか(上)
数回、ホメオパシーに関する話題に脱線したが、話を電子書籍に戻すことにする。電子書籍には売り切れがなく、また過去の本もどんどん甦るであろうという話を書いたが、では図書館の役割はどう変わっていくのだろうか。
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ホメオパシーとニセ科学――レメディメーカーと波動転写機
前回、ホメオパシーのレメディは、ただの砂糖玉に水を染み込ませただけで、原料の砂糖のおよそ1000倍の価格になるという話を書いた。その上で、高価格はプラシーボ効果を最大限に引き出す仕掛けとなっていることを指摘した。
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ホメオパシーのレメディの値段と、プラシーボ効果
前回から、ホメオパシーを巡る情勢は大きく変化した。8月24日、日本学術会議は、金澤一郎会長による「ホメオパシー」についての会長談話を発表した。
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ホメオパシーと自然なお産の奇妙な関係
今回は電子書籍と図書館の関係を書く予定だったが、以前に新型インフルエンザに関係して解説したホメオパシーの問題が急速にクローズアップされてきたので、急きょ話題を変更することにする。
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電子書籍についての考察(その9) 次世代にいかに情報を引き継ぐべきか
前回、個人がどんどん手持ちの本を切り裂いてスキャンし、電子化しつつある現状を紹介した。個人が本をスキャンするようになり、より部屋が広く使えるようになるのはいいが、デメリットは存在しないのだろうか。
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電子書籍についての考察(その8) お手製電子書籍が電子書籍時代を導く
ドキュメントスキャナーという商品がある。多数の紙の書類をまとめて一気にスキャンし、JPEGの画像ファイルなりPDFファイルなりに吐き出すという機能を持つスキャナーだ。さて、よろしければAmazonのページでドキュメントスキャナーを見てもらいたい。
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口蹄疫の被害拡大に見る政治主導のありよう
今回は、電子書籍の話題から離れて、口蹄疫の問題を書くことにする。宮崎県で飼育されている牛や豚の間で口蹄疫の感染拡大が止まらない。4月20日に最初の患畜が確認されてから1カ月、5月21日時点での感染確認は。累計で159例。殺処分対象の牛や豚は総計13万258頭。うち殺処分埋設完了頭数が7万2776頭。…
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電子書籍についての考察(その7)君はベートーベンと戦えるか――電子時代の創作者の苦悩
電子書籍が本格的に普及すると、書籍の流通が根本的に変わることになる。現在の書籍流通には取次という大問題が存在する。現在の書籍流通は出版社からトーハン、日本出版販売(日販)といった取次業者を経由して書店に配本されるという仕組みになっている。この取次制度がさまざまな問題を内包しているのだ。
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電子書籍についての考察(その6) マクルーハンとマラルメ――電子書籍で変わるもの、変わらないもの
文学者・批評家のハーバート・マーシャル・マクルーハンが、著書「グーテンベルクの銀河系」を出版したのは1962年だった(邦訳は1968年)。今から48年前のことだ。口伝から印刷物、さらに新しいメディアも含めて、コミュニケーションメディアが社会の中で総合に影響し合って「メディアの生態系」というべき状況を…
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電子書籍についての考察(その5) 著作権保護期間延長の裏では、米コンテンツ産業がうごめいている
前回緊急に取り上げた、「東京都青少年の健全な育成に関する条例」の改正は都議会において継続審議となった。6月に採決が行われるそうだが、それまでに十分な議論が行われることを望みたい。私としては廃案が妥当であると考えている。今回は、電子書籍および、それに関連した著作権に話題を戻すことにする。
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