先日、某経済新聞の記者に取材を受けました。内容は、「マルチタスクをこなす方法」。
多忙な人は、たくさん世の中にいますので、他の人と比較して、僕がこのテーマにふさわしいほど、たくさんのタスクを同時にこなしているのかどうかは分かりません。

 でも、はたから見ると、意外と様々なプロジェクトを抱えていそうに見えるからでしょうか、そんなテーマで取材していただきました。

 1つのことをじっくり取り組むことは得意だけど、複数のプロジェクトを同時に進め、その都度、頭を切り替えることが苦手な人はいます。

 テストに例えるなら、最初の1問目につまずくとそこで時間を食ってしまって、制限時間内に最後の問題までたどりつかないというケースが多い人です。つまずいたらさっさと飛ばして次の問題にいって、後で戻ってきたら解けるかもしれないのに、その見切りがうまくないタイプの人です。

 そう考えると、僕はそのようなタイプではなく、比較的切り替えの早い方なのかもしれません。

 と、一応仮定した上で、そんな僕が、同時にいくつものプロジェクトを手がけるにあたって、いくつか心がけていることがあります。その中で一番重要なことは、「時間は有限であると常に意識して動く」ということです。

 僕は、社内で会議をするとき(社外の取引先との会議はまた別です)、ブレーンストーンミングをするとき、そしてこの原稿を書くとき、まず「1時間以内で絶対終えるぞ」と制限時間を宣言してから望みます。「限られた時間の中で必ず終える」とまず自分自身に暗示をかける。そして、決めた時間内にアイデアが出なかったりした時は、そもそもその仕事に縁がなかったと思って諦める。そんなノリで働くよう、心がけています。

 もちろん、実際はそんなにうまくいかないこともあります。例えば1時間経ってもいいアイデアが出ない、けれど、どうしても出さなければならないから「あと15分延長」ということとか。でもいたずらに時間をかけるということはないようにしています。

 あるいは、一方で1時間もかけずに、開始から30分で、いい案が出る時があります。その場合は、制限時間まで残りがあっても、さっさと終える。そういった柔軟性も大切にする。(このパターンは、開始30分で出た案がとても良い案だと判断がつくだけの感性と自信がなければ成立しないのですが・・・)