マッシュアップ(mash up)はWeb 2.0時代の最先端技術。もともとは音楽用語で、複数の曲を組み合わせて新しい曲を作ることを言う。転じてインターネットの世界では、複数のWebサービスを組み合わせて新しいサービスを作ることを指す。

 などと言われてもピンとこない人が多いだろう。そこでおなじみのExcelを使い、シート上で具体的にマッシュアップしてみようという企画が本特集だ。実はWebサイトと似たようなマッシュアップがExcelでもできる。VBA(Visual Basicfor Applications)というプログラミング言語を使うので少々敷居は高いが、具体的なプログラムを見た方が下手な講釈より理解が深まる。

他人のふんどしがクール

 まず、Webサイトでのマッシュアップから見てみよう。図1はサン・マイクロシステムズとリクルートによるマッシュアップコンテスト「Mash up Award 3rd」で最優秀作品に選ばれた「ONGMAP.COM」というWebサイトだ。地名を指定すると地図が現れ、さらに周辺の飲食店、ホテル、学校、コンビニ、病院、バス停、果ては天気や地震情報、標高など、あらゆる情報を表示できる。

 これらの情報をすべてこのサイトで保持しているわけではない。実は、インターネット上にあるさまざまなWebサービスから情報をかき集め、ワンストップの地図情報サービスとして提供している。他人のふんどしで相撲を取るようだが、Web 2.0時代はこれがクールなのだ。

 とはいえ、フレーム(Webページ画面の分割機能)を使って単純に別のWebページを表示するのとは違う。例えば図1の下にある飲食店一覧は、別のWeb サービスから取得したデータを加工して独自のインタフェースで表示している。要するにプログラミング。プログラミング言語を利用して、いろいろなWeb サービスを組み合わせているのだ。

 ここで言う「Webサービス」とは、Internet Explorer(IE)などのブラウザーでアクセスできる普通のWebページだけとは限らない。実はインターネット上には普通のWebページを提供する以外に、プログラミング言語からアクセスして各種のデータを取得できるサービスがいろいろとある。中には普通にIEでアクセスできるものもあるが、基本的にはプログラミング用。つまり、プログラム向けに用意されたWebサービスと考えた方がよい。