ここまで、マイクロソフトがWindowsやOfficeと共に提供しているIME(以下MS-IME)の「IMEパッド - 文字一覧」や「手書き」機能などを使って、漢字を入力する方法を紹介したが、今回は少し趣向を変えて、漢和辞典を用いた漢字入力法をご紹介しよう。

 本コラムをご覧になっている皆さんであれば、最近の漢和辞典には漢字の字形や部首・画数・読み・意味・熟語などに加えて、その漢字の文字コードが記載されていることはご存知だろう。
 部首や読みで目的の漢字を引いて、そこに記されている文字コードをMS-IMEのコード入力機能を用いて入力すれば、目的の漢字を簡単に入力できるはずだが、現実はそんなに甘くない。収録されている漢字の範囲や記載されている文字コードの種類が漢和辞典によって異なっているため、文字コードに関する知識をある程度、持ち合わせていないと、漢字入力のための道具としては役に立たない可能性があるのだ。

「IMEパッド」の限界

 本連載の「読み方の分からない漢字を入力する(5)」で、かな漢字変換で入力できない漢字を検索して入力するにはMS-IMEの「手書き」機能を利用するのが最適の方法であると解説した。

 Windowsに付属している「MS明朝」や「MSゴシック」といった日本語フォントに収録されている漢字であれば、すべて手書き入力できる。問題は逆のケースで、ある漢字がこれらの日本語フォントに収録されているのかどうか、MS-IMEからは知る術がない点だ。

 例えば、「口」偏の右側に「葛」がくる漢字がある。鹿児島と奄美大島との間に連なる「トカラ(吐カ喇)列島」の「カ」を記すのにこの漢字を使う。

 試しに「IMEパッド - 手書き」を呼び出して入力してみた。ちなみに「IMEパッド - 手書き」は、言語バーの「ツール」ボタンをクリックして「IMEパッド」→「手書き」を選択して開く。入力欄に「口」+「葛」を手書きしてみたが、候補の一覧の中に目的の漢字は表示されない(図1)。「手書きで表示されないので、パソコンでは入力できないんだな」とすぐに諦めがつく人は少ないのではないだろうか。多くの人が「書き方が悪いのかな?」と思い、色々と試行錯誤を繰り返すことになるだろう。

【MS-IMEの「手書き」機能でも入力できない】
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図1 MS-IMEの「手書き」機能を呼び出し、「口」+「葛」字を手書きしてみたが、目的の漢字は一覧されない

 試しに今度は「IMEパッド - 文字一覧」を使ってみることにした。