第1回、第2回で、関数の大まかな使い方は理解できたかと思います。ただ、前回までは、関数名を入力して、その引数を指定するという作業を、セルごとに実行していました。第2回で取り上げた1~3月の全国合計を求める例なら、1月、2月、3月についてそれぞれ「=SUM(」と入力して、マウスで合計範囲を指定して、「)」を入力しなければなりません(図1)。これでは面倒です。

図1 各月の全国合計を求めるのに、月ごとに毎回「=sum(」と入力して、範囲指定するのは面倒だ

 そこで「式のコピー」の出番です。初級編の最後となる今回は、式をコピーするテクニックを習得します。「単にセルをコピーするだけでは?」と思うかもしれませんが、こうした基本操作をしっかりマスターしておかないと、後で大きな落とし穴にはまることもあります。きっちり理解しておきましょう。

 ご存知の方には繰り返しになってしまいますが、今回は表計算ソフトの基本的な考え方から見ていきます。

 エクセルなどの表計算ソフトが、単機能の電卓と違うところの一つに、計算式が入ったセルを別のセルにコピーすると、その計算式で参照しているセル番地も自動的に変わることがあります。これにより、図1で合計を出す場合のように、同じ計算を違うセルに施さなければならない場合でも、セルをコピーするだけで済むわけです。対象データが多いときの効果は絶大です。これこそ、表計算ソフトの真骨頂といえるでしょう。

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