「関数」というと、“なんとなく難しいもの”と思っていませんか? 中学校のときに頭を悩ませた一次関数や二次関数を思い出す人もいるかもしれませんが、エクセルの関数はそんな数学の関数とはまったく別モノ。関数の名前、計算範囲を指定するだけで、目的の答えを自動で出してくれる、便利な“自動計算機”です(図1)。

図1 計算したい数値を箱に入れると、目的の計算結果を自動表示する――。そんな“自動計算機”がエクセルの「関数」だ。例えば「SUM」という関数は、指定したセル範囲の数値を合計して、その結果を表示してくれる

 エクセルの関数は、図のような数値の計算だけでなく、表を検索したり、文字列を分割・結合したりと、さまざまな処理を自動化してくれます。関数を使いこなせるようになるとエクセルの威力は倍増し、活用の幅が格段に広がります。関数を知ること、使いこなすことは、“エクセルの醍醐味”と言ってもいいでしょう。

 さて、“関数”を詳しく解説する前に、エクセルで使用できる「式」について整理しておきましょう。エクセルで使える式には、「(1)数値式」「(2)参照式」「(3)関数」の3つがあります。それぞれ、以下のようなものです。

(1)「数値式」:数値を直接入力して計算する式
例:「=1+2」「=10/2」

(2)「参照式」:他のセルを参照して計算する式
例:「=A1+B2」「=B3/C4」

(3)「関数」:あらかじめ決められた計算をする式
例:「=SUM(A1:B2)」「=AVERAGE(C1:C5)」

 いずれの場合も、式の先頭には「半角」のイコール記号(=)を入力する必要があります。

 (1)の数値式は、キーボードから直接入力した数値を計算する式です。電卓の代わりにちょっとした計算をするのに使えますが、実際に数値だけを計算する機会は多くないでしょう。

 (2)の参照式は、他のセルに入力されている値(数値や文字)を使って計算する式です。参照しているセルの値が変わると、参照式の計算結果もリアルタイムに変化します。表計算ソフトならではの便利な機能です。

 (3)の関数は「あらかじめ決められた計算」を行う仕組みです。例えば、「指定した複数の数値を合計」したり、「指定した数値の中で最も大きい数値」を見つけ出し、答えとして返してくれるといったものです。

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