最近は個人情報の扱いに気を遣う場面が増えた。エクセルで作成した顧客住所録や社員名簿など、管理体制を万全にして情報の漏えいを防がなければならないものは多数ある。

 そんな中、「住所録のファイルは持ち出し禁止にしているから大丈夫」と安心するのは早計だ。実は個人情報を含まないように見える売上集計表などのファイルにも、ある“個人情報”が常に記録されている。

ファイルの「プロパティ」に作成者の名前や会社名が

 エクセルのファイルを右クリックして、「プロパティ」メニューを選んでみよう。開く画面の「概要」タブに、「作成者」「前回保存者」「会社名」といった情報が表示されるはずだ[注1]。どちらも、エクセルをインストールしたときに登録したユーザー情報である。ファイルを保存すると、これらの情報も自動で記録されるのだ。

[注1]ファイルの「プロパティ」画面
「前回保存者」や「会社名」は、「概要」タブで「詳細設定」ボタンを押すと表示される。「前回保存者」以外の情報は、「プロパティ」画面で直接編集することもできる

 「自分の名前や会社名くらいなら、人に知られても大きな問題にはならない」と考える人もいるだろう。だが、部署名といった詳細な情報を登録していた場合、ファイルを人に渡すだけで、「どんな仕事をしている人か」までわかるケースもある。また部署名や会社名が変わったときには、ファイルに記録されている情報が古いままでは、あらぬ誤解を生んだり、恥ずかしい思いをする。そこで「プロパティ」に記録される情報を変更したり削除する方法を、知っておいて損はない。