興味深いニュースがいくつかある。その中で一番重要なのは以下に説明する判決だろう。陪審員は被告ジャミー・トーマスに対し、RIAA(米国レコード工業会)が代表する音楽出版6社に22万ドルの損害賠償金を支払うよう命じる裁定を下した。

 トーマスは、1700曲を超える楽曲の不法な共有を促進したかどで訴えられていた。法廷外で解決すればずっと少ない金額で済んだにもかかわらず、RIAAと戦う道を彼女は選んだのだ。その法廷闘争は、レコード産業がファイル共有を陪審員の前で論じる最初の事件となった(参考)。

 陪審員は短時間で、トーマスが行ったKAZAAによるファイル共有を有罪とする判決を下した。だが、陪審員の少なくとも一人はWebのことをまったく知らず、使ったこともなかった(参考)。

 トーマスは未婚の母親で財産もない。賠償金額は、原告の法的な経費を含めると50万ドルに達し、彼女の生涯年収を超える。これは彼女に深く同情できる点だ。しかしそれは脅迫であり、そう意図したものである。

 O・J・シンプソンをゴールドマンの家族が追及するのと同じくらい無情に、RIAAが彼女を追及すると想像してほしい。友人がトーマスに腕時計を与え、RIAAは彼女からそれを奪う(訳注:ゴールドマンはシンプソンの元妻の友人で、一緒に殺害された。シンプソン被告は、ロレックスの腕時計をゴールドマンの父親に賠償金として与えるよう命じられた)。

[そしてトーマスに上訴を勧めているのは…:次ページへ]