AMD製CPUが実装している「Cool'n'Quiet」や「PowerNow!」と呼ぶ省電力機能は、CPUの使用率に応じて「Pステート」(CPUの状態)を切り替える機能だ。ユーザーからは負荷に応じてCPUのクロック周波数が一瞬で切り替わっているように見えるだけだが、現実にはこの瞬間にずいぶん複雑な動作をしている。今回はその詳細を解説する。

 CPUの使用率を監視しているのはOSだ。OSは必要に応じてCPUにPステートの移行を要求する。この要求はACPI(Advanced Configuration and Power Interface)のプロトコルを使ってCPUのデバイスドライバーに渡される。このとき、ドライバーには目的となるPステートのクロック周波数とコア電圧の情報も渡している。動作中のCPUが持っているPステート、周波数、電圧の組み合せは、システムが起動した時にBIOSからOSに知らされている。

 ここでは、アイドル状態でPステートが最低となっているCPUが、負荷が上がり最高Pステートに移行する例を取って説明しよう。