都市伝説は本当だった

 本当に300dpiで十分なのか、マイクロスコープで調べたのが図16だ。同じ絵柄で解像度の違う画像データをそれぞれL判に印刷してみた。L判でほぼ300dpiとなる1500×1004ドット、その2.6倍の3872×2952ドット(800dpi相当)、半分の750×502ドット(150dpi相当)の3種類だ。3872×2952ドットと1500×1004ドットは肉眼ではほとんど区別がつかなかった。マイクロスコープで見てもインク円パターンはかなり似ている。一方、750×502ドットだと肉眼でもほかとの違いを認識できた。マイクロスコープで見るとインク円パターンが明らかに違う。

 画像データの解像度が低すぎると画質が落ちる。例えば750×525ドットの画像をL判で印刷しようとすると、実質150dpiになる。仮にインクジェットの理論解像度が300dpiだった場合、画像データの1画素を2×2の4つの理論画素で印刷することになる。いわゆる画素の水増しが起こる。結果的にぼんやりした絵柄になり、インクジェットプリンターの解像度性能をフルに生かせない。