「写真の取り込み」「電子スクラップ」「カラーコピー」、これら3つの用途でスキャナーを自由自在に扱えるようになれば、もう一人前。後は発想を自由に膨らませて、スキャナーを使い倒していこう。

 そのためにはまず、「取り込んで保存するためにスキャナーを使う」という考え方を見直そう。デジタルカメラと同様に、スキャナーも何かを「撮る」という観点から扱う。さらに取り込んだ画像を最終的に何に使うかも考えておくといい。このように心掛ければ、スキャナーの活用アイデアは自然と浮かんでくることだろう。では実際に、スキャナーをさらに楽しんで使う事例をいくつか紹介していこう。

落ち葉も立派な素材に

 紅葉が待ち遠しい9月の時期に、道端に落ちているまだ葉の色付かないイチョウの葉を発見。これをスキャナーで取り込むとどうなるか。実際にやってみた。

 原稿台の上にイチョウの葉を3枚並べて取り込もうとすると、所々で落ち葉の端が丸まり、スキャナーのふたでうまく押さえられない。ふたを閉めたときに、位置もずれる。こういうときは、透明なファイルに挟んでから、原稿台にセットするテクニックを使うといい。透明なファイルに挟むことで、落ち葉をきれいに伸ばすことができ、位置決めもしっかりできる。

 取り込んだ落ち葉の画像に対して、フォトレタッチソフトで少し手を加えてみる。画像の色相を変えて、紅葉した葉のように赤茶色にするのだ。画像を細長く切り抜き、文字を入れて印刷すれば、オリジナルのしおりが完成する。

 落ち葉ではなく、花を取り込んでもいい。布を取り込めば、その素材の味わいを生かした画像が出来上がる。立体物もCCDスキャナーなら取り込める。変わった形のパスタ、ピーナッツやコーヒーなどの豆類も取り込んでみるといい。かわいらしい画像になるはずだ。果物を半分に切って、切り口の部分を取り込んでも面白い。取り込んだ画像を何に使うかは、あなたのアイデア次第だ。

 手形や足形もスキャナーなら簡単に取り込める。デジカメだと真正面から撮るのがやや難しいが、スキャナーなら原稿台の上に手や足を乗せるだけ。成長期の小さな子供の手足なら、定期的に取り込んでおくことで成長過程を記録できる。