オフィスで一日に作り出す文書はどのくらいの量になるだろうか。単に帳票に記入するだけのものから、ワープロソフトなどを使って一から作るもの、電子メールの返信なども含めれば、かなり多くの文書を作成していることになる。
電子メールは文書じゃないと思っている人もいるかもしれない。しかし、電子メールは紛れもなく文書アーカイブである。検索機能なども付いており、データベースと考えることもできる。
コミュニケーションの大半がメールで行われている現状では、その電子メールのやり取りにおける情報管理についても、十分に知っておかなければならない。電子メール経由での情報漏えいや情報の不正利用の可能性を知ることで、従業員一人ひとりの情報セキュリティ対策がより充実したものになる。
ここでは、電子メールや紙の文書におけるセキュリティの在り方を考えてみよう。
署名だって個人情報
電子メールのセキュリティといえば、まず最初に思い浮かぶのが添付ファイルだろう。電子メールに書類ファイルを添付することで、その書類から重要な情報が漏えいするというものだ。
最近では電子メールの検閲ということで、添付ファイルが付いていたら、それを削除してからユーザーに転送する機能を持ったシステムを活用している企業も多い。もちろん、これらのシステムにはウイルスの検知を行う仕組みもあり、添付ファイルがウイルスに感染している場合には、設定に応じて処理してくれる。
自動的にさまざまな処理をしてくれるのは利用者にとって非常に良いことだ。人間はミスをするものだから、それをシステムが強制的に是正してくれることは、情報セキュリティ対策の正しい考え方でもある。