そういえば今月は17日(月曜日)と24日(月曜日)が休日なんですよね。月曜日がこの連載の掲載日。それもあってか「連載を休んでもいいですよ」と編集担当者さんにお気遣いいただいたので、お言葉に甘えて今回はあっさり気味に。

 面白法人カヤックの代表をやっていると、「あなたの信念は?」とか、「愛読書は?」とか、「尊敬している会社は?」とか、そういった質問をしばしば受けます。正直その時々で、回答は異なるのですが、答えてしまうと記録として残ってしまうのでそういった質問にはどうしても慎重になってしまいます。

 その中でも「座右の銘は?」という質問に対して、記録として残ることを覚悟して、今回、ずばり回答します。

「災い転じて福となす」

 ありきたりですみません。

 でもこの言葉は、最近毎日のように唱えているのですが、ほんとつくづくすごい言葉だと思います。僕は、これを実践できる人が真の自由人であると思っています。

 だってそうでしょう。

 災いが起きた時というのは、平時の状態が0だとすると、-(マイナス)な状態ということです。だから、その災いを取り除いただけでは、マイナスから0になっただけです。それじゃぁつまらない。たぶんたいていの人は災いを除こうとしか思っていない。

 でも、災いが起きたことをチャンスにして、平時の状態からさらに+(プラス)の状態にもっていくことができるのだとしたら、どうでしょうか。

 むしろ「災いよ、どんどん来い」ってなわけであり、災いがくるたびに+(プラス)に転じるので、ほんと無敵状態なわけです。

 ある意味、前回の静岡支社の話もそうです。会社にとって、もっとも優秀な戦力となる人間が悩まざるを得ない状況になった。それを災いとみなします。でもせっかくだからそれをきっかけに、むしろ飛躍する(飛躍しそうな)プランを考えて実験する。これで、災いを「福となす」というわけです。

 考えてみれば、こんなことは意外と世の中にゴロゴロあるのではないでしょうか。

 例えば、長期間体調を崩してしまう。確かにつらい。病気になると心もネガティブになる。でも、これをきっかけに自分の体と向き合って自分にあった健康法(食事とか、ヨガとか、体調管理方法などなど)を見つけることができたら、今後の成功がむしろ保証されるのではないでしょうか。

 例えば、会社が倒産してしまう。でも倒産という経験を生かして、本を書いたらベストセラーになるかもしれない(なんだかどこかで聞いた話・・・)。

 例えば、人間の成長は、負荷がかかったときの反動で伸びます。バネと同じ。つまり、筋肉だって、負荷を与えて筋肉痛になって、そして治ったときにパワーアップする。ちょっと無理やりな感じがしますが・・・。

参考:筋肉とIT

 こうやって書いていると、どんどん自分に災いが起きたらいいなーという気持ちになってきました。だって起きる度に+(プラス)になっていくわけですから。

 あぁ、そうか。でも、最近そう思っているから、災いが少ないんだな。そう思っている時ほど意外と平和で安定している。助かった。ほっ。

「災い転じて福となす」

災いを求めている人にも、求めてない人にも、どうぞ。