キーボードサービスを追加

 冒頭で紹介したMS-IMEの「IMEパッド-文字一覧」は1文字ずつクリックして入力する方法なので、より本格的にフランス語やドイツ語を入力しようとする場合には向かない。いっそ各国語用のキーボードを購入してしまえば、フランス語やドイツ語の入力は楽になるが、そのキーボードでは逆に日本語を入力しにくくなる恐れがある。日常はもっぱら日本語だが、時々、フランス語やドイツ語で手紙やメールを作成することがあるといった場合には、キーボードは日本語用のものをそのまま使いつつ、各国語用の「キーボードサービス」を追加して、それぞれの言語の文字をキー入力するという別の方法*5を用いる。

 「キーボードサービス」とは、「キーボードのこのキーを押したら、この文字が入力される」といった対応を設定する、Windowsの機能を指す。最初は日本語用のキーボードサービスだけが組み込まれているので、頻繁にフランス語やドイツ語などを入力する必要が生じたら、言語バーから「テキストサービスと入力言語」を呼び出して、その言語のキーボードサービスを追加する(図4)。

 ドイツ語の場合は、「入力言語の追加」ダイアログの「入力言語」欄で「ドイツ語(ドイツ)」を選べばよいが、フランス語の場合は「フランス語(フランス)」ではなく、「フランス語(カナダ)」を選択するのがお勧め(図4左下)。日本のキーボードはアメリカに倣って、最上段の数字が並ぶ列の下は、左から右に[Q][W][E][R][T][Y]……といった順に並んでいるが、フランスのキーボードではこれが[A][Z][E][R][T][Y]……と微妙に異なる。これだと[A]や[Q]の字を入力するのにもひと苦労することになるので、配列が英語や日本語キーボードに似ている「フランス語(カナダ)」を選択するのだ。

図4 フランス語固有の文字をキーボードから入力できるようにすることもできる。言語バーを右クリックして現れるメニューから「設定」を選択して(上)、「テキストサービスと入力言語」ダイアログを呼び出す。「追加」ボタンをクリックする(右下)と、「入力言語の追加」ダイアログが現れる。ここで「フランス語(カナダ)」を選択する(左下)

*5 別の方法
Wordに限っては、各国語用のキーボードサービスを組み込むことなく、ショートカットキーを押して入力するという方法もある。[半角/全角]キーを押してMS-IMEをOFFにした状態で、例えば、フランス語のアクサンテギュ付きの「é」であれば[Ctrl]キーを押しながら[’]キーを押した直後に[e]キーを、同じくフランス語のセディーユ付きの「ç」であれば[Ctrl]キーを押しながら[,]キーを押した直後に[c]キーを、ドイツ語のウムラウト付きの「ü」であれば[Ctrl]キーを押しながら[:]キーを押した直後に[u]キーを押す。