前回まではもっぱら日本語の文字について話をしてきたが、パソコンで扱える文字は日本語に限らない。英語については特に意識することなく使っているだろうが、実は読者の皆さんがお使いのパソコンにはフランス語やドイツ語などのヨーロッパ各国の文字、さらには中国語や韓国語なども扱える仕組みが備わっている。ここで言う「仕組み」とは、各国語の文字を入力する機能と、その文字を画面に表示したりプリンターで印刷したりするためのフォントなどだ。以前はそのためのフォントなどをインストールする手間*1を要する場合もあったが、Windows 2000以降、XPやVistaでは、そんな手間をかける必要もなく“マルチリンガル”な環境を提供している。
そこで、今回はXP環境でフランス語やドイツ語などの文字を入力・表示する方法を紹介しよう。
フランス語を入力する
早速、Wordを用いて、フランスの名所を現地語すなわちフランス語で入力してみよう。例えば、フランスツアーの日程表を作成するといったケースだ。
こんな場合にはMS-IMEの「IMEパッド-文字一覧」を呼び出して、その一覧から選択する方法がお手軽だ。「IMEパッド-文字一覧」の左上が「シフトJIS」順になっている状態だと、「A」~「Z」、「a」~「z」の見慣れた英語のアルファベットしか現れないが、クリックして「Unicode」順に切り替える*2と、その少し後ろに「À」「Á」「Â」といったアクセント符号付きの文字や、ドイツ語でよく見かける「ä」「ö」といったウムラウト付きの文字などが現れる(図1)。例えば、フランス語によく出てくるアクサンテギュ符号付きの「é」なども、クリックするだけで編集中の文書のカーソル位置に挿入される。
各国語の入門書や観光ガイドなどに載っている通りに文字をクリックするだけでよいので、「フランス語はよく分からないが、仕事柄、フランス語の地名や会社名を入力しないといけない」といった方々にオススメしたい方法だ。
*1 インストールする手間 フランス語やドイツ語などのラテン文字については、Windows 98やMeなどでもあまり手間をかけることなく扱えるが、中国語や韓国語(ハングル)の入力・表示については、それぞれに応じたフォントのインストールなどが必要となる。 |
*2 「Unicode」順に切り替える 「IMEパッド-文字一覧」を「Unicode」順に切り替えても、英語のアルファベットの後ろに多数のラテン文字が表示されなかったら、選択中のフォントに収録されていないことが原因なので、「フォント」欄で別のフォントに変更する。 |