3年に一度の参議院議員選挙です。日本の将来を左右する国政選挙ですから、有権者ならば投票に行くのはもちろん、結果にも注目しましょう。
参院選には都道府県単位で議席を争う「選挙区」と全国で政党単位で議席を争奪する「比例代表」とがあります。比例代表は全国の得票数を政党ごとに集計して「ドント方式」と呼ばれる計算方法で議席を各政党に割り振ります。このドント方式をExcelで実際に計算しながら意味を理解しておきましょう。
作成したワークシートが図1です。今度の参院選比例代表の改選数は48ですのでC2セルに値を入れます。書き換えれば衆院選挙の比例区でも使えます。
政党ごとの得票数は政党名の下に入力します。ここからがドント方式の計算です。A党の得票数を1、2、3、4…という数字で割った結果をD11からD35までのセル範囲で計算しています。B党からF党までも同様に計算します。D11からI35まで、150個の値ができました。これを候補者に見立てて、大きい順に議席数(今回は48)だけピックアップすれば各党の当選者数が分かります。
条件付き書式で一目瞭然
上位を選ぶために次のような手法を使いました。C9セルにLARGE関数を使って上位48番目の値を求めています。C9セルには「最終当選票」という名前を付けてあります。この最終当選票以上の値なら当選で、それ未満なら落選です。条件付き書式を使って(図2)、当落が一目で分かる色を付けました。
当選セルはピンク、ただし最終当選者、つまり48番目のセルはオレンジです。もしオレンジのセルが複数個あった場合はどちらが当選になるかは抽選で決めます。次点となったセルは太文字にして、ほかの落選セルとは区別できるようにしました。
各政党の当選者数ではCOUNTIF関数を使って、最終当選票以上のセルが何個あるか数えています。例ではA党が19、B党が15などとなっています。
議席占有率や得票率、議席当たり得票数も求めました。議席占有率と得票率の関係を調べたり、F党があと何票増えれば議席を獲得できたのかなど、いろいろ試せます。
説明の都合上、掲載しているワークシートは政党数が6で党名も架空です。しかし日経パソコンのホームページからダウンロードしていただくファイルでは政党数を11にして、しかも今度の参院選に候補者を擁立した政党を実名で入力してあります。開票速報を見ながら得票数を入力するなどして選挙結果の予測や当落のシミュレーションにお役立てください。