ウィンドウズやエクセルを開発した世界最大のソフトメーカー「マイクロソフト」の本社は、米国ワシントン州のレドモンド市にある。サンフランシスコやロサンゼルスで有名な西海岸を北上し、カナダの国境まで車で数時間という位置にあるレドモンドは、閑静で高級なイメージのする街だ。

“大学”のような広大な敷地、運動場や博物館もある

 マイクロソフト本社に到着すると、まず敷地の広大さに驚かされる。何本もの路線バスが運行する敷地内には、低層のビルが点在し、その間にはたくさんの木々が生い茂っている。数十棟のビルは番号で管理されているので、路線バスやタクシーで他のビルに行きたいときは「何番のビル」と目指せばよい。大企業の本社と言うと、日本では高層ビルを想像するのだが、マイクロソフトの本社はむしろ“大学”のようなイメージだ。サッカー場やビーチバレーのコートもあり、そこで汗を流す社員の姿も珍しくない。そんな本社を、社員は「キャンパス」と呼んでいる。堅苦しくない自由な社風を表しているのだろう。

 マイクロソフト本社では、膨大な人数の社員1人ひとりに個室が与えられている。今回は特別に知人のはからいで、社員の個室にも入ることができた。広さはおよそ4畳半ほどで、複数台のコンピューターを操作できるようにカギ状の大きなテーブルが置かれている。個室内の配置などは社員の自由で、自転車やピアノを持ち込む社員もいるという。

 敷地内には、「マイクロソフト博物館」という一般公開の施設もある。入場は無料で、創業者であるビル・ゲイツ氏が初めて作った名刺や、当時着ていた洋服なども展示されていた。ちなみに、ビル・ゲイツ氏の正式な名前は、「ウィリアム・H・ゲイツ3世」と言うそうだ。興味を引いたのは、パソコンの歴史そのものをうかがわせる同社歴代のソフトたち。マイクロソフトが発展するきっかけとなったMS-DOSや、エクセルの初版など、懐かしい品々が陳列されていた。同じ建物に、マイクロソフト製品を扱う店舗もあった。社員もしくは許可を受けた者だけが入店できるのだが、そこでは「オフィス」や「ウィンドウズ」などのパッケージが、通常の10分の1程度の低価格で購入できる。

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