前回の記事に引続き、大阪でもう1社取材した会社の面白制度です。

★取材先その2:「ワークスタイル2.0」【株式会社 ウェブシャーク】

 簡単に説明すると、勤務時間という概念をなくしてしまおうという制度です。(詳しくは、上記リンク先ページをご覧ください。)

 勤務時間に限らず、勤務曜日もなくしてしまうのは確かに理想です。そもそも仕事というものが「与えられるもの」「管理されるもの」ではなく、自分で「生み出すもの」「自己実現をするためのもの」だということであれば、自分の実現したい目的のためにより良い方法を自らが考えて行動をするはずですから、勤務時間も勤務曜日もあってもなくても良いということになるわけです。

 ですが、大体の組織が「その組織の社会的存在理由(経営理念)が曖昧」だったり、大体の人が「そもそもの実現したい自分の目的をあまりよく見つめてない」「仮にその実現したい目的があっても、その目的に近づくために良い方法はどうなのかを深く考えてない」というのが世の常でして、勤務時間も勤務曜日もないなら、じゃぁ会社に出社しないで在宅でずっと働きますとか、午前中はほとんど会社にこないなんてことになりがちです。

 では、一人ひとり本当にその方法論が「自分の目的のための近道なのですか?」と問うた時に、それが本当にベストなのでしょうか。自宅でシコシコと仕事をしているより、人とコミュニケーションをとっていく方が自分自身の成長にもなるわけですし、物理的にチームワークを伴う仕事の場合、同じ空間で同じ時間を共有している方が効率が良いことも多々あるわけです。本当はバランス感覚をもって、そういう全てをひっくるめて自分の行動がどのような意味をもつのかを自主的に一人ひとりが判断して動ける組織なら、勤務時間、勤務曜日もぎちぎちに決める必要はないのだと思います。

 勤務時間、勤務曜日がきっちり決まっていないとしっかり働かないという組織と、勤務時間や勤務曜日がなくても各自が自主性を持ってしっかり働いている組織。そもそもどちらがかっこいいかといったら後者です。その理想に向けて、カヤックとしてもこの勤務時間・勤務曜日の件は、今後取り組んで行きたい課題のひとつです。

 ちなみに、面白制度の取材記事にも書いてありますが、ワークスタイル2.0を実践するウェブシャークさんはこの勤務形態を、ある読んだ本の中から影響を受けたためと言っていました。

その本は下記です。

 この本の舞台となっているブラジルのセムコという会社はすごいです。正直、経営者のほとんどがこの本を読んで「ほんとかよー」って思って、次に「うちじゃぁできないなー」とため息つくと思います。僕もそう思いました。