まずは図の問題に挑戦していただきたい。A1~A7セルに入力した文字列を「昇順で並べ替え」ボタンで並べ替えると、どんな結果になるかという問題だ。


 Q1から順に見ていこう。そもそもエクセルは、セルに入力した漢字についても、その「読み」の五十音順に並べ替える機能を備えている。例えば「私有」とセルに入力すると、「シユウ」という“ふりがな情報”も自動的に記録される[注1]。標準では、このふりがな情報を基に並べ替えが行われるので、漢字も五十音順に並ぶ。

[注1]ふりがな情報
かなを漢字に変換する際の「かな」情報を記録したもの。誤った「かな」から変換すれば、誤ったふりがながそのまま記録される。また他のソフトからコピーした漢字には、ふりがなが付かない


 そこでQ1は、「かなが同じ場合の促音・拗音・濁音[注2]の扱い」が焦点となる。「しつけ」と「しっけ」のどちらが先に並ぶかだ。

そもそも「五十音順」とは?辞書によって並び順が違う?

 正解は「ウ」。エクセルは、次のようなルールで並べ替えを行う。

 (1)促音、拗音は先に並べる
 (2)濁音、半濁音は後に並べる

 つまり、「しっけ」が「しつけ」よりも先、「じゆう」は「しゆう」よりも後だ。違和感を感じる人がいるかもしれないが、実はこれが、“一般的”な「五十音順」である。筆者の手元にある国語辞典(三省堂)の並び順も同じだ。

 「一般的」と言ったのは、五十音順には「こうでなければいけない」という厳密な決まりがないため。ケースごとにルールを決めているにすぎない。国語辞典と百科事典、あるいは電話帳を見比べても、少しずつルールが異なる。エクセルの並び順に違和感を感じても、それは“好み”でしかない。

 ところが、エクセルの「並べ替え」機能を調べていくうちに、好みだけでは片付けられない“問題点”を発見した。それが、冒頭のQ2に示したものである。

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