エクセルを文書作成の道具に使う人は、意外と多い。なるほどエクセルでも、文字の色やサイズは変えられるし、「セルの結合」や「テキストボックス」を使えば、レイアウトも自在だ。デジカメ画像を貼り付けることだってできる。
ただし、画像を貼り付ける際は、注意してほしい。貼り付け方を1歩間違えると、「ファイルサイズが異常に大きくなる」という予想だにしない事態に見舞われるからだ。
下図は、15キロバイトのエクセルファイルに、30キロバイトのJPEG画像[注1]を貼り付けた例。単純に足すと45キロバイトなのに、なんと1.4メガバイトという巨大なファイルに化けてしまった。一体どうしたことだろう?
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画像の“貼り付け方”に注意、コピー&ペーストは禁物
原因は、画像の貼り付け方にある。先ほどの例は、次の手順で画像を貼り付けたものだ。まず、オフィスに付属する画像編集ソフト「フォトエディター」で目的の画像を開き、そこで「編集」メニューの「コピー」を選択。次にエクセルの画面を開き、「編集」メニューの「貼り付け」を実行した。よく使われる「コピー・アンド・ペースト」の手順だが、実は、この貼り付け方が禁物だ。
というのも、フォトエディター上で「コピー」を実行すると、フォトエディターで画像を編集できるようにする「Photo Editor 3.0イメージオブジェクト」という形式など、複数のデータ形式[注2]が、コピー用に準備される。そして、エクセルで単に「貼り付け」を実行した場合、この「イメージオブジェクト」形式で画像が貼り付けられてしまう。この形式は、データサイズが非常に大きいので、貼り付けたエクセルファイルも、予想外に巨大化してしまうのだ。
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これはフォトエディターに限った話ではない。他のソフトから画像を「コピー」する場合、コピー元のソフトが、どんな形式でデータを受け渡すかによって、データサイズが変わってくる。元画像のファイルサイズとは無関係なので、注意しなければならない。
もちろん、データサイズが大きくならないように画像を貼り付ける方法はある。他のソフトから「コピー」するのではなく、エクセル上で「挿入」メニュー→「図」→「ファイルから」を選び、目的の画像ファイルを選択すればよい。すると、元の画像データを直接エクセルが処理するので、ファイルサイズの膨張を防げる。