例えば「カタログのバッテリー駆動時間は信用できるの?」「メモリー効果に気を付けよう」などのように、バッテリーにまつわる疑問や流説はいくつかある。情報に振り回されないためには、やはり中身の仕組みを理解しておくことが大切だ。

 まずはカタログのバッテリー駆動時間が、どのような方法で測定されているのかについて紹介しよう。スペックの欄外を見ると、よく「JEITA測定法に基づく」といった注記を目にする。JEITA測定法とは、メーカーや機種ごとでバッテリーの駆動時間を比較するために、目安として定めた統一的な測定方法のことを指す。

 具体的な中身は単純だ。JEITA測定法(Ver1.0)によると、2種類の試験結果を足して2で割った数値を採用しているという。1つめはMPEG1形式の動画ファイルをHDDから読み出しながら再生する。液晶ディスプレイの輝度は20カンデラ/平方メートルで音量は最低(ミュートでも可)、画面の表示サイズは320×240ドットだ。

測定の負荷は少なめ

 最新のノートパソコンの場合、液晶ディスプレイの輝度は200カンデラ/平方メートル程度の機種から500カンデラ/平方メートル以上という機種まである。20カンデラ/平方メートルの状態は、普段ノートパソコンを使用する時の輝度と比べて相当暗い。目安では、7段階の輝度のある製品で、下から2番目くらいの状態だ。テストの内容自体も、実際の使用状況と比べると負荷は少ないと考えられる。

 テスト2は液晶ディスプレイの輝度を最低にした状態で、液晶ディスプレイを表示したまま放置しておくだけとさらに負荷は少ない。カタログの数値はあくまでも機種ごとの性能比較用として活用し、使用上は「カタログ値の7割くらい」(NEC)を目安にしておくのが妥当だ。

カタログのバッテリー駆動時間は、JEITA(電子情報技術産業協会)が定めるJEITA測定法(Ver1.0)に基づく数値だ。中身は液晶の輝度を20カンデラ/平方メートル程度に落とした状態で、MPEG1形式の動画ファイルを再生した結果と、最低輝度のまま液晶を表示し続けた結果を足して2で割ったもの

 さて、次の疑問は「OSで表示されるバッテリーの残量表示は信じられるか」という点だ。