Internet Explorer 7(IE7)では、WebページのURLを表示する領域(アドレスバー)を基本的に非表示にできなくなった。Windows XP版、Vista版の両製品に盛り込まれた仕様変更で、セキュリティ強化を目的としている。

 確かにこうすることで、アドレスバーを常に表示し、フィッシング詐欺サイトなどに誘導されても、ユーザーが気づきやすくなるという利点がある。半面、この変更によって別のトラブルが発生する可能性がある。

 Webサイト構築などを手がけるセカンドファクトリーは、ユーザーの操作ミスを防ぐ目的で、あえてアドレスバーを非表示にしているようなケースで問題になると指摘する。

IE6ではアドレスバーが非表示になるウインドウも、IE7では表示される

 例えば、ユーザー登録やサービスへの申し込み画面。ポップアップウインドウにFlashで丁寧なウィザードを表示し、順番に情報の入力を促すWebページをよく見かける。この場合、IE7ではアドレスバーにはウィザードの最初の画面のURLがずっと表示されることになる。そうすると、ウィザードの途中でユーザーが誤ってEnterキーを押したり、画面更新のボタンをクリックしたりすると、ウィザードが最初に戻ってしまう。するとそれまでにユーザーが入力した情報は、水の泡。一からやり直しだ。

 現在のところ、有効な回避策は見つかっていない。ユーザーが利用時に注意するほかなさそうだ。