人名などでは、パソコンに登録されていない漢字が使われることがあります。このような文字をパソコンで表示するために、Windowsは「外字エディタ」という、文字を作成するツールを標準で備えています。ちなみに外字とは、パソコンに備わっていない、すなわちユーザーが自分で登録した文字のことです。

 外字エディタを使って、文字を作成する主な手順は下の図の通り。作成する文字に対応させる文字コード(文字に固有の番号)を選んだら、64×64の升目を塗りつぶして文字を作ります。真っ白な升目を1升ずつ塗りつぶしながら漢字を作るのは骨が折れるので、似たような文字を加工して目的の漢字を作ることをお勧めします。

【外字エディタを使って表示できない漢字を作る】
Windowsの「アクセサリ」にある「外字エディタ」を起動する
登録する文字コードを選択する。初作成なら、そのまま「OK」を押す
外字を作る64×64の升目が表示される
似た文字から外字を作る。「文字のコピー」を選択
作成する外字のフォントを選択。「フォント名(F)」ボタンを押す
今回は「MS 明朝」のフォントで外字を作成することにした。「OK」を押す
作成したい外字に似た漢字を入力。今回は「勤」と入力
「勤」という漢字が64×64の升目に表示された
「鉛筆」や「消しゴム」ツールで文字に手を加える
「編集」メニューの「同じコードで保存」で保存完了

 作成した外字は保存できます。呼び出すときは、MS-IMEツールバーの「IMEパッド」から、「文字一覧」を開きます。ここで「外字」を選べば、作成した文字を呼び出せてワープロソフトなどで表示できます。また、外字は印刷することも可能です。

外字の入力は、MS-IMEのツールバーから行う
拡大表示
「文字一覧」の「外字」から、登録した外字を呼び出せる

 外字エディターを使えば、どんな文字でも作ることができますが、その文字はあくまで自分のパソコンの中にしか存在しないことに注意しましょう。外字を入れた文章をメールで送っても相手先では表示できません。相手先で正しく表示させたい場合は、文書をPDF形式に変換するなど、外字をテキストではなく画像扱いで送るようにしましょう。