Windows Vistaでは、フォントがらみで複数の変更が加わった。新フォント「メイリオ」や「JIS 2004」対応フォントの搭載などが知られているが、目立たないところでもフォントのデザイン変更が行われている。

 例えば、MSゴシックやMS明朝、MS Pゴシックなどでの10ポイントの字形の変更。従来よりも、文字がやや大きくなった。その結果、文字と文字の間が狭く表示される。特に行の間隔が詰まる現象が目立ち、Windows XPで開くとちょうど良い行間隔でも、Vistaでは読みにくくなってしまう可能性がある。特にWebサイトなどでは、修正が必要な場合がある。

 自社のWebサイトでこの現象が発生した富士通によれば、「XPにおける10ポイントのフォントは、10ポイントの文字の枠に9ポイントの文字を表示させていた。このため文字と文字の間隔が空いていた。Vistaでは10ポイントの枠がきっちりと埋まるようにフォントがデザインされたため、行間が詰まってしまう」ということが分かったという。そこで同社は、Vista搭載パソコンの出荷前に、すべてのページに対策を施した。

10ポイントのフォントを使っていると、XPとVistaで見え方が変わる

 数字の「2」の字形変更も問題になっている。MS Pゴシックの8ポイントや9ポイントの字形が変わり、左下が欠けたような印象を受ける。Webページや、Vista上で動作しているアプリケーションのメニュー画面などで頻繁に見かける。富士通はこれを避けるため、自社サイトにおいて、半角英数字のフォントをMS PゴシックからArialへと変更したという。

Vista標準のソフト「ワードパッド」のダイアログボックス(左)。「12」の「2」の左下が欠けたように表示されている。ワードパッド上でMS Pゴシックを指定して文字を入力しても、フォントサイズを9ポイントにすると同様の現象が見られる(右)。ただし10ポイントでは、違和感は感じない