日経パソコン2006年10月9日号に掲載した特集「パソコン法律クイズ」をネットで解答できるよう公開しました。なお、各設問の内容は2006年10月時点の内容となりますのでご了承ください。

 正解は3つの選択肢のいずれかです。4つめの選択肢である「(4)答えが分からない」は不正解として扱われます。自分の知識を正確に把握したい場合にご利用ください。

Q1 運転中の携帯、アウト!

 「明日は我が身」のお騒がせな法律といえば、最近はパソコンよりも携帯電話。2004年11月1日に施行された改正道路交通法では、自動車やバイクを運転中の携帯電話使用は処罰対象です。違反すると普通自動車で6000円の反則金もしくは5万円以下の罰金に違反点数1点。では、以下で道路交通法違反になるケースはどれでしょう。


(1)簡易カーナビ機能を起動してホルダーに固定し、運転しながらときどき画面を見た
(2)走行中に着信があったが、ハンズフリーキットがなかったのでスピーカーホン状態に切り替え、ホルダーに置いて大声で話した
(3)赤信号で止まっているすきを見計らって、携帯電話を手に持ってメールを入力し送信した
(4)答えが分からない
Bluetoothの無線機能を備えるアイ・オー・データ機器のハンズフリーキット「PDI-B912/HAG」

---まめ知識--- 交通違反、反則金と罰金の違いは?

反則金は軽微な交通違反に科せられる刑事上の責任です。期間内に反則金を納めると、裁判が免除され前科もつきません。一方、罰金は必ず刑事裁判を受ける必要があります。交通違反を認めた場合は書面で裁判を受けられますが、刑事上の罰則のため前科がつきます。

Q2 怪しいケータイ、御用

 携帯電話といえば2006年4月1日に全面施行された携帯電話不正利用防止法も何かと話題。プリペイド携帯を含むすべての携帯電話やPHSでの本人確認を厳しくしており、契約者が氏名や生年月日を偽ったり記入しなかったりした場合、50 万円以下の罰金となります。では以下の中から携帯電話不正利用防止法の内容として誤っているものを選んでください。


(1)携帯電話が犯罪に悪用された場合、警察が携帯電話事業者に契約者を照会できる
(2)オークションサイトなどで、見知らぬ人に番号入りの携帯電話を譲渡すると罰せられる
(3)携帯電話から110番通報があった場合に、警察がその携帯の居場所を確認できる
(4)答えが分からない
プリペイド携帯電話を使うには、通話料金分の専用のプリペイドカードが必要

Q3 航空法で裁かれる!

 飛行機でも携帯は要注意です。2004年1月に施行された改正航空法では、航空機の運航の安全を阻害する恐れがある携帯電話やその他電子機器の使用が禁止されました。機長から使用禁止命令を受けても使用をやめなかった場合、50万円以下の罰金が科せられます。では、航空法の規定について誤っているものはどれでしょうか。


(1)携帯電話は、機内では常に電源をオフにしなければいけない
(2)巡航中であれば、携帯型テレビや携帯型ラジオをオンにしてもよい
(3)無線LANを使用できるのは、無線LANの通信サービスを行っている旅客機に限られる
(4)答えが分からない

Q4 個人情報持ってます?

 ここからはパソコン関連の話題。まずは最近よく耳にする個人情報保護法です。この法律は個人情報を何らかの事業に活用する者を対象にしており、こうした個人や企業などを「個人情報取扱事業者」と呼びます。これに該当するかどうかは、保有している個人情報の数や期間によって規定されます。では、以下の中で個人情報取扱事業者に最も該当すると思われるのはどれでしょうか。


(1)5000人分以上のデータベース(紙の書類を含む)を、過去6カ月にわたって保有する
(2)5000人分以上のデータベース(紙の書類を除く)を、過去6カ月にわたって保有する
(3)5000件以上のデータベース(紙の書類を除く)を、過去6カ月にわたって保有する
(4)答えが分からない

Q5 漏らしたら刑務所?

 個人情報を漏えいしたら大きな騒ぎになる昨今。資本金が1億円の個人情報取扱事業者が、適切な安全管理を怠ったために5000人分の個人情報を漏えいしてしまったとします。この事故に対する主務大臣からの命令にも従わなかった場合、刑事罰が科せられます。この刑事罰について正しいものを以下の中から選んでください。


(1)6カ月以下の懲役、または30万円以下の罰金
(2)3年以下の懲役、または1000万円以下の罰金
(3)5年以下の懲役、または1億円以下の罰金
(4)答えが分からない

Q6 やむを得ず、免除

 厳しい個人情報保護法ですが、例外もあります。特定の団体が特定の目的で個人情報を取り扱う場合は、例外として個人情報保護法が定める規定が適用されません(第50条)。では、以下の中で適用除外になるケースはどれでしょうか。


(1)報道機関が報道目的で、取材相手の個人情報を管理し、評論等の際に利用した
(2)病院で患者のカルテを電子化した
(3)学習塾の講師が生徒の名簿を作成した
(4) 答えが分からない
住所録など個人情報の管理は慎重に

Q7 これぞ不正アクセス!

 コンピューターの不正使用を禁止する不正アクセス禁止法は、もしかしたら「知らずに犯罪者」の筆頭かもしれません。以下のような経験がある方は要注意。これらのうち、不正アクセス禁止法に違反する行為はどれでしょうか。


(1)他人が設置している、パスワードのかかっていないANY接続の無線LANに接続し利用した
(2)インターネット上で公開されている他社のサーバーに接続し、パスワードをでたらめに入れてみたところログオンに成功し、業務関連のファイルをダウンロードした
(3)上司のパソコンを起動し、パスワードとして上司の生年月日を入れたところログオンに成功し、パソコンのハードディスクに保存されていた部下の人事考課の一覧を閲覧した
(4) 答えが分からない
Windowsのログオン画面。他人の侵入を防ぐためにパスワードを設定しておける

Q8 ゲームのニセ札何の罪?

 2006年7月に、オンラインゲーム大手のガンホー・オンライン・エンターテイメントの社員が、オンラインゲーム「ラグナロクオンライン」のゲーム内で使用する仮想通貨を不正に作成、販売して現金を得ていた疑いで逮捕されました。この際の逮捕容疑は以下のどれでしょうか。


(1)刑法第148条違反(通貨偽造・行使罪)
(2)刑法第246条の2違反(電子計算機使用詐欺罪)
(3)不正アクセス禁止法違反
(4) 答えが分からない
「ラグナロクオンライン」
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---まめ知識--- 刑事罰と民事罰はどこが違う?

刑事罰は法律違反に対して国家が科す制裁です。罰金、懲役、死刑などがあり、複数の刑事罰を同時に科す併科もあります。民事罰は、被害を与えた側が被害者に損害賠償を支払う罰です。過去には漏えいした個人情報に対して1人1万円の賠償を請求された事例もあります。