今回は、離れたところにあるコンピュータをネットワーク経由で操作するためのアプリケーションであるTelnet(テルネット)について解説します。
元はホストを遠隔操作するしくみ
パソコンと異なり、大型コンピュータ(ホスト)を操作するときは、本体に接続された専用の端末装置を使います。この端末は通常、テキストを表示するモニターとキーボードだけから成り、キーボードからホストに命令を送り、実行結果をモニターに表示します。
Telnetは、ホストに直接つながった端末と同じ操作を、ネットワーク越しでも実行できるようにするアプリケーションです。パソコンなどからネットワーク経由でホストにログインし、キーボードから入力したテキスト命令を送って操作したり、その結果を手元のパソコンに表示させたりします。
Telnetのしくみ自体は非常にシンプルです。そのため、サーバーやルーター、ネットワーク対応のプリンタといった多くのネットワーク機器がTelnetで操作できるようになっています(pict.1)。Telnetは、ルーターのように本体にキーボードやディスプレイがない装置の設定を変更したり、状態をチェックするためによく使われています。
Telnetの機能を実現するための重要な考え方がネットワーク仮想端末(NVT:network vertual terminal)です。ネットワーク仮想端末とは、端末の機能を取り決めたもの(仮想端末)をネットワーク経由で使えるようにしたものです。Telnetでは端末の仕様を標準化することで機種間の違いを吸収しています。