「まっさらコース」も「上書きコース」と同様、Vistaを入れたら二度とXPには戻れない。唯一、手軽に戻れる方法が3番目の「まっさらデュアルコース」だ。

 この方法ではVistaをXPとは違うドライブ、例えばDドライブに新規インストールする。CドライブのXPをそっくりそのまま残し、Vistaと共存させるのだ。この方法をとるとパソコン起動時にOS選択画面が現れ、XPとVistaのどちらで起動するか選べるようになる。こうした起動方法を「デュアルブート」と呼ぶ。なお、Dドライブに保存されているデータは、Vistaをインストールしても影響を受けない。最もリスクが少ない方法といえるだろう。

 いざとなったらXPで起動すればいいわけだから、Vistaを“お試し”で使ってみたい場合には最適。アプリケーションや周辺機器の互換性が心配な人にもお勧めだ。この「まっさらデュアルコース」はライセンスの問題上、通常版でのみ可能となる。

 必要なのは複数の内蔵ドライブ。Dドライブがある機種なら、その空き容量をチェックしよう。Vistaをインストールするには15GB以上の空き容量が必要だ。Dドライブがなかったり、あっても空き容量が足りない場合は、「LBパーティションコマンダー」などの市販ソフトを使ってパーティションを切り直す必要がある。

 なお、Vistaをインストールできるのは内蔵のハードディスクに限られる。USBの外付けハードディスクなどには、インストールできないから注意しよう。ただし、「BOOT革命USB」などの市販ソフトを使うと、Windows XPを外付けハードディスクに移して、Vistaを内蔵ハードディスクに入れることができる。

 「まっさらデュアルコース」のデメリットは「まっさらコース」と同じ。アプリケーションは再インストールが必要だし、メールなどの設定も最初からやり直す必要がある。XPの設定やデータを引き継ぎたければ、Windows転送ツールを利用しよう。