互換性情報を十分に確認せずに、メーカー製パソコンに「えいやっ」と入れたらどうなるか実験してみた。Capable PC対応のソニーの機種にWindows Vista Ultimateを入れようとしたところ、インストールウィザードの途中で「互換性のレポート」が現れ、インターネット経由でパソコンのVista対応情報が表示された。

 実験に使った機種では、セキュリティ対策ソフトをアンインストールしなければVistaを入れられないこと、またいくつかのソフトがVista上ではうまく動作しないであろうことが前もって分かった。実際、非対応と指摘されたソフトをVista上で起動しようとすると警告が出る。テレビ機能のソフトを強引に起動してもテレビは見られなかった。

 古いソフトでは対応しないものもある。例えばエプソンダイレクトのテレビ関連ソフト「Symphovision」「FINESTATION」などは「今後もVistaに対応する予定はない」(同社広報)という。

 以上のように無謀な実験をしなくても互換性情報はマイクロソフトのWebサイトに集約されるはずだ。ここからパソコンメーカーのページを開き、自分の使っている機種で問題がないことを確認してからインストールした方がいい。

 パソコンメーカー各社は、Vista発売日の1月30日以降に自社パソコンのVista対応状況について情報を公開する見通しだ。検証対象の機種は本記事執筆時で未定のメーカーが大半だが、少なくともCapable PCとPremium Ready PCに関しては検証が実施される。可能な範囲でVista対応のための追加プログラムも提供される予定だ。

無償の診断ソフトがある

 このほかマイクロソフトは、ハード/ソフトのVista対応を診断するツール「Windows Vista Upgrade Advisor」も提供する。同社のWebサイトから無償でダウンロードでき、現在使用中のパソコンで実行するとVistaを動かすためには何が足りないか、導入済みのアプリケーションはVistaと互換性があるか、などの情報を抽出してくれる。

 XPパソコンにVistaを入れる場合、上書き、新規インストール、デュアルブートの3通りがある。上書きする場合は、互換性情報が出そろってからでなければ危ない。新規インストールならVista非対応ソフトなどのゴミが残らないものの、やはりメーカー独自の周辺機器などが使えなくなる可能性はある。互換性問題で悩みたくない人は思い切ってプリインストールパソコンを買うほか、デュアルブートで“お試し”する手がある。