Excel 2007の条件付き書式には、新しく3つの機能が追加された。それが「データバー」「カラースケール」「アイコンセット」だ。第5回「セルのデータのランクが一目瞭然に」でも少しお伝えしたように、これらの機能を使うと、数値が入力されたセル同士を比較して、差をはっきりと示したり、セルの数値がどのランクに属するかを明らかにしたりといったことができるわけだ。

 では、これら3つの新機能は、それぞれどんな特徴があり、どのような場面で使えば効果的なのだろう。最終回である今回は、「データバー」「カラースケール」「アイコンセット」の使い分けにスポットを当ててみよう。

「データバー」で上位と下位の差が一目瞭然

 試験の成績を入力した表があるとしよう。F列に表示された点数を、条件付き書式で分析してみたい。

 まずは「データバー」を試してみよう(図1)。「データバー」とは、名前のとおり数値の大きさを横棒で表示する機能だ。大きい数値は棒が長く、小さくなるほどに棒は短くなる。あらかじめセル幅を広めに取っておくと、長短の差がはっきりと表示され、比較しやすくなる。「データバー」は、ちょうど数値を棒グラフにするのとまったく同じ感覚で、あらゆるデータに利用できる。

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図1 データバーを表示するには、リボンの「ホーム」タブで「条件付き書式」から「データバー」をクリックする。点数の大きさがそのまま棒の長さに置き換えられ、最高点と最低点が一目で分かる

分布状況を把握するには「カラースケール」

次に、同じデータに「カラースケール」を設定してみる。「カラースケール」は、色のグラデーションで数値の大小を示すものだ。

 もう少し詳しく言うと、「カラースケール」はセル範囲の中で最大値と最小値のセルに表示する色を決め、他のセルのデータが両者の間のどの辺りに位置するかを色の濃淡で表すものだ。このため、分布状況を把握したいときに便利だ。なお、選択肢には、単に「高低」を示す2色のグラデーションのほか、「高中低」と中央の値も強調したいときに使う3色のグラデーションがある。点数や偏差値のほか、さまざまな計測値の偏り具合を見たいときに使ってはどうだろう(図2)。

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図2 リボンの「ホーム」タブで「条件付き書式」から「カラースケール」を選択すると、色の濃淡で点数の分布が把握できるようになる

所属するランクを示すなら「アイコンセット」

 最後に「アイコンセット」を試してみよう(図3)。「アイコンセット」は、集団の中で数値が属するランクを3~5つのグループに分類してくれるものだ。ここでは、点数によって「合格」「次点」「不合格」といった3通りのランクに分けてアイコンで示したい。

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図3 どのランクに属するのかを表示するには、リボンの「ホーム」タブで「条件付き書式」から「アイコンセット」を選択する。ここでは、225点以上なら緑、180点以上224点以下なら黄色、179点以下なら赤のアイコンを表示したい

 ところが、「アイコンセット」ではルールに合わないアイコンが出現することがある。たとえばF13セルの値は225点なので、緑のアイコンが表示されるはずなのに黄色のアイコンが表示されている。これは、自動で設定されたランクのしきい値とこちらが指定したしきい値との間にずれがあることが原因だ。これは設定後に別途、調整できる(図4)。

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図4 自動表示されたアイコンには、こちらが想定した区分と合致しないアイコンが出現することもある。これを正しく表示するには、「ホーム」タブで「条件付き書式」から「ルールの管理」を選択する