日経パソコンの編集部にはすさまじい数の迷惑メールが届きます。その数、半年で3000通。特に多い日はさすがに編集部内でも「ヤメテクレ~」の悲鳴が上がります。この迷惑メール、だれがどのように出しているのか、その正体をExcelで暴いてみましょう。

 1日当たりの迷惑メールの数を折れ線グラフにしてみました。2004年1月下旬までは平穏な日々でした。

 風雲急を告げたのはMydoom(マイドゥーム)出現でした。主なウイルスのニュースと照らし合わすと見事なほどグラフの増減に同調しています。2004年3月29日は何と1日に165通です。この日出現したウイルスはWindowsの古いセキュリティホールを突いて、メールを開かなくても感染する仕組みを備えていました。これで一気に感染が広まったようです。

 なぜウイルスメールが編集部に届くのかも押さえておきましょう。最近のウイルスはホームページやメール本文などに含まれているメールアドレスに片っ端からウイルスメールを送り付けます。感染したパソコンで日経パソコンのメールマガジンを受信したり、日経パソコンのホームページを見たことがあれば、ユーザーの意図とは関係なく編集部にウイルスメールを送ってしまうのです 注1

知らない間にウイルスは…

 半年分の迷惑メールからウイルスに絞って受信時刻を1時間ごとの棒グラフにしてみました。パソコンを起動したタイミングでウイルスメールを発信しているようです。明らかに日本国内の生活時間帯と連動しています。

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上は編集部に届く迷惑メール数の推移。ウイルスの出現タイミングと見事に同調している。下は半年分のウイルスメールが届いた時間帯分布。パソコン起動時に撒き散らすためか、インターネットのにぎわいよりも「早寝」の傾向

 朝8時台がピークなのは始業前にパソコンを起動しているためでしょう。昼食の12時台と、夕食か通勤時間帯の19時台は減ります。夜のピークは21時台です。自宅のパソコンを起動する時間でしょうか。夜中0時を過ぎるとガクンと減ります。朝の5時台までパソコンを起動する人はわずかです。

 あなたのまわりにウイルス対策ソフトを入れてなかったり、更新を怠っているパソコンはありませんか。感染チェックと駆除なら無償でインターネット上のツールを使えます 注2。感染したパソコンは知らない間に友人・知人に向けてせっせとウイルスメールを撒き散らしているかも知れませんよ。

 今回のファイルには編集部に届いた迷惑メール3000通の日時や容量などの生データも入っています。ぜひダウンロードして分析してください。

注1) 日経パソコンのメールマガジンやホームページから感染するわけではないので、誤解のないようにお願いします。
注2) 例えば、シマンテックのホームページにある「シマンテック・セキュリティチェック」。

追記(2006年12月27日):その後、日経パソコン編集部あてのウイルスメールやスパムメールがさらに大量になり業務に使えなくなってしまったため、編集部のメールアドレスを2005年5月ごろに廃止いたしました。

サンプルファイルの公開は終了しました。