ウイルス対策ソフトは動作が重いソフトの代名詞のようにいわれることが多い。常にシステムに常駐して動き、パソコンのパフォーマンスに少なからぬ影響を及ぼすためだ。「セキュリティは大事だけど、パソコンが重くなるから、できればウイルス対策ソフトは入れたくない」という人も多いだろう。そこでなるべく軽いウイルス対策ソフトを探すべく、編集部で速度を測ってみた。
テストに使用したパソコンは下の通り。まずはハードディスクを、各製品の最も詳しい検査をする設定でフルスキャンした。ウイルスとスパイウエアの検出エンジンが別々の製品については、グラフ中でウイルス検出にかかった時間を茶色、スパイウエア検出にかかった時間を緑色で表している。
最も短時間で検査ができたのはウイルスセキュリティZERO、逆に時間がかかったのはG DATA インターネットセキュリティー2007だった。グラフにはスキャンにかかった時間に加えて、検査終了時に各ソフトが表示する検査ファイル数を併記している。例えばウイルスセキュリティZEROは8分48秒で5万1599個のファイル、Windows Live OneCare は32分45秒で21 万902個のファイルを検査している。両者を比較すると、Windows Live OneCareはウイルスセキュリティZEROの約3.7倍のスキャン時間がかかっているが、検査したファイル数は約4倍で、単純にスキャン時間が短いソフトの性能が高いとはいえないことが分かる。
なお、avast! 4 Home Editionに関しても同様のテストを試みたが、編集部で用意した環境では一晩経っても検出が終わらず、今回は「測定不可能」としている。試みに初期設定でフルスキャンをかけたところ、約15分で終了した。このように初期設定と詳しい検査を実行する設定では、所用時間に大幅な差が出ることもある。avast!に限らず、テスト結果でフルスキャンに時間を要した製品は、普段は初期設定で利用し、詳細なスキャンは長時間席を外すときに実行するのが現実的だろう。
さらに、各ソフトを初期設定で常駐させ、255MBの圧縮ファイルを展開するのに何秒かかるか測定した(グラフ中にある赤色の秒数)。ウイルス対策ソフトなしの状態では50秒で終わる処理が、どの程度伸びたかで負荷が分かる。特定のテスト条件下での結果ではあるが、普段パソコンを利用する際にどの程度の負荷がかかるのか、参考になるだろう。