ウイルス対策ソフトにとって最も重要な機能は、コンピューターウイルスを発見・駆除すること。だが膨大な数の、しかも日々新種が現れるウイルスを漏れなく検出するのは技術的に難しい。もちろん、ユーザーとしては100%防いでほしい。そこで、一定の条件下でどれくらいのウイルスを検出できるかテストした。テスト作業は、コンピューターセキュリティに関して調査、研究などを実施する日本コンピュータセキュリティリサーチ(JCSR)の遠藤基コンピュータウイルス研究員に依頼した。

 テスト対象とするサンプルは2種類。(1)2006年10月初旬の時点でThe WildList Organization Internationalが所有する719種のサンプル(2)2005年1月から2006年8月に情報処理推進機構(IPA)に届け出があったウイルスに、最近流行したトロイの木馬を加えた、JCSRが所有する220種の独自サンプル。WildListは各国の専門家の報告に基づいて作成されており、JCSRは国内で唯一、WildListの報告者を擁する企業である。

 対象のウイルス対策ソフトは、国内ユーザーの多いシマンテック、ソースネクスト、トレンドマイクロ、マカフィーの4社と、低価格が売りのキングソフトの製品とした。時間的な制約により、テスト対象を5製品として、ほかは省略した。