ウイルス対策ソフトというと、シマンテック、トレンドマイクロ、マカフィーなど、パソコンにプリインストールされている製品が一般的だ。実際、2005年の金額ベースの売上シェアでは、この3社の合計が市場の90%以上を占めていた(富士キメラ総研調べ)。これらを追って伸びているのが、更新料なしの低価格戦略を展開するソースネクストだ。店頭にはこのほかにも多くのメーカーの製品が並ぶ。新規参入の製品も多く、11月にはジャストシステムが製品を投入。2007年初頭にはマイクロソフトも「Windows Live OneCare」で、有料のウイルス対策ソフト市場に参入する見通しだ。

売れ筋は統合型

 製品の形態は2種類に大別できる。まず、1つの機能に絞った単機能型の製品だ。ウイルス対策のほか、スパイウエア対策、パーソナルファイアウオール、迷惑メール対策などがある。

 一方、ウイルス対策をメインにしつつ、上記の単機能型ソフトの何種類かを組み合わせた統合型の製品もある。統合型製品はここ数年で多機能化が進んだ。特色を打ち出すために、危険なWebサイトのフィルタリング、ファイルのバックアップといった機能を追加した製品が出ている。

 単機能と統合型、どちらの製品を何種類そろえるかは販売元によって異なるが、今回は店頭で人気のある実勢価格が5000 ~6000円台の統合型で、2006年6月以降に新版が出た製品を中心に取り上げる(下表)。機能面では、基本となるウイルス/スパイウエアといった不正プログラムの検出とパーソナルファイアウオールに加えて、今年になって搭載製品が増えてきたフィッシング詐欺サイトなどの危険なWebサイトへのアクセスを防止する仕組みを見ていく。さらに、パソコンをフルスキャンした際にかかる時間や、導入コストを製品ごとに比較した。