「文書や画像などのデータはパソコンが不調に陥る直前のままで、システムだけは好調なときの状態に戻せる」――。これが、パソコンが不調になったときに、その状態を解消する理想形だ。

 ソフトの不具合や設定ミス、ウイルス感染など、さまざまな理由でパソコンは絶不調に陥ることがある。原因が分かれば対処のしようもあるのだが、それがなかなか難しい。パソコン内にある何百何千というファイルから不具合を見つけるのは神業に近いからだ。

 不調な状態から脱却するには「リカバリー」を行う。リカバリーの代表例が、パソコン購入時の状態に戻すこと。ただ、これだとインターネットの接続設定も一からやり直しになるし、使い続けたソフトは一からインストールし直さなくてはならない。これでは不便。どうせなら、好調な時点の状態に簡単に戻したい。ならば、好調な時点のシステムの状態を記録すればよい。これがシステムバックアップだ。この記録情報から好調な状態にパソコンを戻すこともリカバリーの一種である。

 実は、システムよりも重要なのが、報告書、電子メール、画像など世界に二つとない「マイデータ」だ。

 実は、システムをリカバリーすると、過去のマイデータに戻ってしまったり、最悪の場合にはマイデータが消えてしまう。だから、不調に備え、システムとマイデータはあらかじめ分けておくのが望ましい。こうしておけば、リカバリーしてもマイデータは最新の状態に保っておける。

 大事なマイデータなので、保存しているハードディスク(HDD)が不本意に故障したとしても守りたいのが人情だ。この点、マイデータを他のHDDにも保管しておけば安心だ。一方が消えてしまっても、もう一方から復活できる。

※実際に、バックアップ、リカバリーをする際には手順を追って操作してください。