【XPSの実体はZIPファイル】
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 XPSは、Vistaにおける文書の保存、印刷のためのデータフォーマット。XML形式で記述された文書のレイアウト情報を、画像などと一緒にZIP形式で1つにまとめたデータだ。その特徴は、元の文書のレイアウトや色を正確に再現できること。現在広く使われているPDFと似た位置づけにあると考えれば分かりやすいだろう。

 例えば、Wordで作成した文書を、Wordを持っていない人に見せたい場合を考えてみよう。Word形式ではなくXPS形式で保存して、相手に送る。相手がそれを、XPS文書を表示するためのソフト(XPS Viewer)で開けば、元のレイアウトや色がそのまま再現される。PDFファイルを、「Adobe Reader」で開くのと同じイメージだ。

 印刷においても、XPSは重要な役割を果たす。印刷データをプリンターに伝えるための中間データ(スプールファイル)のフォーマットになるのだ。Vistaが新たに搭載するAPIを使って作られたアプリケーションなら、印刷データを直接XPS形式でスプールファイルに出力し、XPS対応のプリンターに送れる。このため、印刷の正確さやパフォーマンスの向上が期待できる。XPSは従来よりも多くの色を扱えるので、色の再現性も向上する可能性が高い。

【Vistaにおける印刷の流れ】
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