「Windows Rally」とは、Vistaに搭載される新しいネットワーク技術の総称だ。パソコンと周辺機器を手軽に接続することを目指す複数の技術によって構成されている。

【Windows Rallyを構成する主な技術】
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【ネットワークマップ】
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 例えば、ネットワーク上に存在する機器を自動的に発見したり、接続状態を診断したりするためのプロトコル「LLTD」がその一つ。プロトコルとは、ネットワークを介してパソコンや機器が通信するための手順のこと。LLTDに対応しているルーターを使ってネットワークを構築すれば、ネットワーク上の機器の一覧や、接続状態などが分かる。

 これらの情報は、Vistaの「ネットワークマップ」という機能で視覚的に確認できる。ネットワーク接続が途切れた場合、どこに問題が起こったのかを表示することもできる。

【無線LANの設定を簡単に】
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 Windows Rallyのうち、無線LANユーザーにとって便利なのが「Windows Connect Now(WCN)」。パソコンやアクセスポイント、周辺機器の接続設定を容易にする。

 WCNという名称の機能自体は、Windows XPのSP2にもある。USBメモリーを使い、パソコンからアクセスポイントに設定情報を移すことで接続できるようにする機能だ。


 VistaのWCNは、従来よりも拡張される。アクセスポイントとパソコンを有線LANで接続し、アクセスポイントに割り振られた固有のID(PIN)をパソコンに入力するだけで、接続を完了できる方法が加わるのだ。周辺機器に対する接続設定時には、USBケーブルや有線LAN、無線などの方法が使えるようになることも新しい点だ。

 なお、VistaのWCNは、無線LANに関する業界団体「Wi-Fiアライアンス」が現在策定を進めている「Protected Setup」(開発コード名は「Simple Config」)に基づいて作られている。これまでアクセスポイントを製造するメーカーごとにバラバラだった簡単設定機能を統一することを目的としている。2006年中に正式公開される見込みだ。

【多様な接続方法を用意】
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