デスクトップ向けのWindowsとしては約5年ぶりの新製品となる、Windows Vista。2007年1月に予定されている一般向けの発売に向けて、さまざまな動きが活発化してきた。まず9月中にも、ほぼ製品版に近い品質を確保したRC(リリース候補)版がお目見えする見込みだ。Vistaを快適に使うための仕様を満たす「Windows Vista Premium Ready PC」をうたうパソコンも出てきた。

【Windows Vista】

 そんな中、今回はVistaの技術面に焦点を当てた特集をお届けする。Vistaへの乗り換えを検討するなら、VistaがどんなOSであるかを知っておく必要がある。半透明や3次元表示が特徴的な新ユーザーインタフェースなど、目に留まりやすい部分だけではVistaの全貌は見えてこない。実はそれ以外に、さまざまな新技術が搭載されている。

 新技術の多くは、一見目立たない。目立たないどころか、ユーザーの目には絶対に触れないものさえある。だが、こうした地味な技術こそが、ユーザーの満足度に大きな影響を与えることが少なくないのだ。

14の中核技術を解説

 ここでは大きく5つの分野に注目し、特徴的な新技術と、それがユーザーに与えるメリットを解説する。 最初のパートの「ユーザーインタフェース」では、あの華やかな画面表示の裏側で何が起こっているかを明らかにする。次の「パフォーマンス」では、フラッシュメモリーを活用するなどのユニークな技術を取り上げる。3つ目は「ユーザビリティ」。ネットワーク接続の設定作業を簡単にするなど多彩な技術がそろう。そして忘れてはならないのが「セキュリティ」。安全性を高めるため、ユーザー権限の考え方などに変更が加わる。また新技術ではないが、既存のアプリケーションやハードに影響を与えるVistaの変化についても触れる。

【注目の新技術】