最近では、迷惑メール対策機能を持つ市販ソフトが数多く登場してきた。迷惑メール対策に特化したソフトや、ウイルス対策などを含む統合型のセキュリティ対策ソフトに迷惑メール対策機能を加えた製品もある。いずれも学習型のフィルタリング機能を備える。

【迷惑メール対策機能を持つ主なソフト】
製品名 メーカー
Norton Internet Security 2006 シマンテック
ウイルスセキュリティ ソースネクスト
ウイルスバスター2006 インターネットセキュリティ トレンドマイクロ
マカフィー・スパムキラー マカフィー

 市販ソフトに搭載された迷惑メールの判定技術は、基本的にプロバイダーが採用しているものと同じ。「バイアグラ」「アダルト」など迷惑メールでよく使われるキーワードで見分ける。または、本文に画像が多い、不審なURLが書かれているといった迷惑メールにありがちな特徴があるかどうかを調べる。

 こうした迷惑メール対策ソフトをインストールすると、Windowsのシステム内に常駐する。ユーザーがOutlook Expressなどのメールソフトで受信をするときには、自動的にメールを検査する。

 ほとんどのソフトは、迷惑メールと判定したときにはそのメールの件名の前に「MEIWAKU」などという文字を加えたり、自動的に迷惑メールフォルダーに振り分けてくれるものもある。

 本来は通常のメールなのに、ソフトが迷惑メールと誤認識した場合は、ユーザーが間違いを修正する。ユーザーがボタンを押すなどしてスパムであることをソフトに伝える。こうした操作を繰り返すことで、次第に判定の精度が高くなる。

アドレス許可を駆使

 それぞれのソフトでは、迷惑メールを抽出する際のユーザー独自の条件も設定できる。

 まず、監視レベルの調整機能。あまりにも迷惑メール検知の間違いが多い場合など、フィルターの効き目の強弱を調節できる。

 よく受信するメールアドレスを登録することで、迷惑メールと判別しないように指定する機能(アドレス許可指定)もある。誤認識を防ぐためには、仕事関連や友人のアドレスだけでなく、迷惑メールと誤認識されることが多いHTML形式のメールマガジンや英語メールのアドレスなども登録しておきたい。

 逆に、登録したメールアドレスを必ず迷惑メールとして判定する機能(アドレス制限)もある。ただし、迷惑メールの送信者はこうしたフィルターにかからないよう、送信アドレスを頻繁に変更する。そのため、実際には大きな効果が期待できない。

 メールの本文に使われている言語がどれかを判別して受信制限できるソフトもある。例えば、日本語のメール以外は必要ないので受け取らないと割り切れば、海外から届く英語や中国語などの迷惑メールを排除できる。