企画書を書く場合、文書の表現技術やノウハウとして、幾つか重要なポイントがある。主なものを次に挙げておくので参考にしていただきたい。

《A》関係図の描き方
 一般に、企業間、組織間などに代表される「関係図」は、通例、四角や丸、楕円といったブロック図形を用いて表現され、それらを矢印や線で結ぶことで関係を表すのが一般的である。もちろん、最近では四角の代わりに具体的なイラストなどを当てはめる例も見受けられるが、いずれにせよ、表現の際に配慮すべき基本的なことがある。

1:ブロックの形で意味を伝える
 同一文書中では、同じ形のブロック図形は、同種のものを表わすように統一しよう。
 例えば、四角を「企業」の表現に割り当てたのなら、「個人」や「地方自治体」には、別の形状を割り当てて表現するという具合。そうすれば、図形が登場するたびに視覚からのパターン認識が生まれ、表現されている内容が徐々に伝わりやすくなる。

2:中心に主題を置く
 人の意識は、中央に位置するものを重要なものと認識する傾向がある。だから図表の中心に配置したものによって、その図表が言いたいことの主題を読みとることになる。
 例えば、真ん中に今回設立する「新会社」を配置すれば、新会社を巡る関係図と理解される。あるいは、真ん中に「対象顧客」を配置すれば、顧客から見た関係図と理解されるわけだ。
 従って、そこで表現したいことを明確にして、意図を持って図表の中央に配置するものを決めるようにすることが大切である。

3:流れが分かる書き方が重要
 フロー図などの場合、分かりにくい図表に共通している点は、「どこから始まってどこで終わるのか分かりづらい」ということが挙げられる。読み手に理解を求める文書である以上、いかに抵抗なく理解してもらえるかが重要だ。
 人が書いたものを認識するとき、「どこから見るのが自然か」を考えれば、自ずと図表の流れの出発点が決まってくる。

(1)自然な開始位置は、四隅と中央
 文章を読む時と同じ開始位置(左上隅、右上隅)が、最も相応しい開始位置だと考えて良い。全体としては、四隅と中央なら、全体像を一瞬に俯瞰してそこに開始位置を見つけられる位置といえる。