ユーザーインタフェースの刷新と並ぶWindows Vistaの大きな特徴が、検索である。Windows XPとは比べものにならない、強力な機能を用意する。

 検索は言うまでもなく、「探す」作業を支援するものだ。パソコンの使用中、人は思った以上に「探す」ことに多くの時間を費やしている。インストールされているたくさんのアプリケーションの中から起動したいものを見つけるのも、開くファイルを選ぶのも、記憶を頼りに過去の資料を発掘するのも、すべて探す作業だ。パソコンに蓄積されたデータが増えるほど、探すのには大変な手間と時間がかかる。ハードディスク容量が数十~百ギガに達する現在では、無視できない問題だ。

 Vistaは、こうしたユーザーの労力をなるべく減らすために検索機能を強化する。検索機能がVista使いこなしのカギとなる、といっても過言ではないほどだ。

検索があらゆるところに

 Windows Vistaの検索機能は、さまざまな場面で顔を出す。虫眼鏡のアイコンの付いた小さな入力欄があれば、そこで検索を実行できるという印だ。まずはアプリケーションの起動時、従来のスタートボタンに相当するボタンを押すと、この入力欄が画面左下に現れる。ここに検索語を入力すれば、起動したいアプリケーションや開きたいファイルを探せるのである(下図)。

【作業の始めは検索から】

 検索は、入力欄に何か文字を入力しただけですぐさま実行される。インターネットの検索エンジンのように、単語を入力したあと検索ボタンを押す手間は必要ない。1文字入力するたびに、それが含まれるデータが表示される。いわゆる「インクリメンタル検索」が可能なのだ。文字を入力するたびに検索結果が絞り込まれるので、自分の目的のものが見つかった時点で入力をストップすればいい。例えば「日」と入力すると「日」を含むファイルが表示され、次に「経」と入れると「日経」を含むファイルが絞り込まれる、という具合だ。

 この検索機能は、ファイルを保存する際に出てくるダイアログボックスやエクスプローラでも目にする(下図)。ファイルの保存時には、保存したい場所を検索して保存場所を選ぶという使い方ができる。またこのとき、そのファイルを説明する「キーワード」や、ファイルの重要度を示す「評価」などを自由に追加することも可能だ。詳細は後述するが、ここで付与した情報も検索の対象となる。

【ファイルの保存画面にも検索が】