いつものようにワークシートを編集しようとしたら、ツールバーのボタンが使えなくなってしまった。全部のボタンが使えないのではない。グラフを作成する「グラフウィザード」ボタンや、複数セルの中央に文字を配置する「セルを結合して中央揃え」ボタンが使えないのだ。これはいったいどうしたことだろう(図1)。

 原因はそのブックが「共有ブック」だからだ。共有ブックとは、複数のユーザーが同じブックを同時に編集できるブックのこと。共有ブックに設定するには「ツール」メニューの「ブックの共有」を実行して「ブックの共有」ダイアログボックスを開く。「編集」タブの「複数のユーザーによる同時編集を行う」チェックボックスをオンにして「OK」ボタンをクリックする。共有ブックはタイトルバーに「共有」と表示される(図2)。

 共有ブックではいくつかのコマンドが使用不可になっている。先に紹介した「グラフウィザード」や「セルを結合して中央揃え」ボタンだけでなく、シートの削除やハイパーリンクの挿入、条件付き書式の設定なども行うことはできない(図3)。

 共有を切れば、それらの機能が使えるようになる。共有を切るには、さきほどの「ブックの共有」ダイアログボックスのチェックを外せばいい。ただし、共有を切るとそれまでの変更履歴が消えるので、変更の履歴を表示させることができなくなる。

図1 グラフを作成する「グラフウィザード」ボタンがグレイアウトして使えない

図2 共有ブックはタイトルバーに「共有」と表示される

図3 共有ブックでは他にも使用できないコマンドがある